こんにちは。武蔵野大学講師の舞田敏彦です。今回は、成人男女の家事・仕事時間の国際比較をしてみようと思います。「男は仕事、女は家庭」。わが国はこういうジェンダー観念が強い社会ですが、家事時間一つとっても、大きな性差があります。「そんなこと知ってるよ」といわれるかもしれませんが、印象論ではなくデータでみるとどうなのか。男女の差はどれほどか、それは国際的にみて大きいのか。こうしたDUALな疑問にお答えいたしましょう。
OECD(経済協力開発機構)は2014年3月、15~64歳男女の生活時間の国際統計を公表しました。主な生活行動の平均時間が国別に掲載されています。平日・休日をひっくるめた、1日あたりの平均時間です。それによると、日本の男性の平均家事時間は62分、女性は299分となっています(2011年)。女性は男性の4.8倍。北欧のスウェーデンの場合、男性154分、女性207分です。男女の合算値はほぼ同じですが、日本は女性に家事負担が偏っていますねえ。では、他国はどうなのでしょう。横軸に男性、縦軸に女性の平均時間をとった座標上に、26の国を位置づけてみました。
*原資料でいう “Unpaid work” の平均時間
*斜線は,女性の平均時間が男性の何倍かを表す倍率
資料:OECD “Balancing paid work, unpaid work and leisure”
家事時間の男女差が格段に大きい日本と韓国
日本は、女性の家事時間が長く男性は短いので、左上のほうに位置しています。男性の家事時間(62分)は下から2番目です。対極には、先ほど比べたスウェーデンなどの北欧国がありますね。男性もそこそこ家事をしている社会です。斜線は、女性の家事時間が男性の何倍かを示す倍率線ですが、米英独仏は1.5~2.0倍、北欧の4国は1.0~1.5倍であるのに対し、日本と韓国は4倍のラインを超えています。家事時間の男女差が格段に大きい社会です。
モヤモヤとしていた印象がデータで「見える化」されましたが、いかがでしょう。日経DUALを読まれているママさん・パパさんは違うでしょうが、日本の成人男女全体でみるとこんな感じです。
次ページから読める内容
- 男女の役割差少ない北欧、欧米は北欧と日韓の中間
- 男性も女性も多様な役割を持つべき
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