そんな彼らが何を頼りに成長していくかというと、周囲の同年齢集団、あるいは、先輩たちです。中学になるとたいていどこの学校でも「部活動」を重視していますが、それはこの環境を整えるためでもあります。

 子どもたちは、同年輩の「友人」と語り合うことによって、そこに鏡として映し出される自分のことを知り、また、尊敬できる先輩をロールモデルとして、成長していきます

 あるいは、先生には反発もしやすい時期ですけど、親の言葉よりは他人である先生のほうが効く、という場面もあります。

 要するに、半分大人になった中高生を、代わりに守り育ててくれるのは、学校環境である、という部分がとても大きいのです。

 親が子どもにできることは、
・そのときまでに子どもの力を蓄えておくこと
・子どもが伸び伸び成長できる環境を整えること
・手を離し、目は離さず、子どもを見守ること
くらいです。親の手を振りほどいて距離を取ろうとしている子どもを無理に追いかけても、よいことはありません。

 子どもが始めて「中二病」に差し掛かるときから、こんなふうに整理して捉えていたわけではもちろんありません。現時点で振り返って、思うことをまとめればこうなるという感じです。我が家には三人の子どもがおります。そのうち上二人がこの時期を通り過ぎ、一人はちょうど今から始まるというところです。

 「手を離し、目は離さず」…などは、言うは易く、行うは難し、といったところですが、またろう(長男)のときと、こじろう(次男)のときでは雲泥の差がありました。二人は別の人間ですから、直接比べても仕方がないのですが、改めて比較検討する必要もないくらい、条件が大きく違っていたのです。

 それは、こじろうは中学受験をして、私立中に通っていたということです。

 こじろうは、中学受験のときにさんざん手を(お金もですが)かけてきただけのことはあって、勉強の仕方というのがわかってます。勉強を進めるための基礎学力もあります。中二病、中だるみの特徴として、勉強のやる気なんてものは滅多に見せないにしても、自分が考える「最低限」は押さえますし、「稀に」勉強する気を起こしたときは、ちゃんと効果的なやり方を自分で考えて進めることができます。