「仕事も育児も両立しながら楽しんで生きていきたい」という意識を持った若い世代の男性たちを支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンは、2014年3月14日に「パパが考える転勤」フォーラムを開催した。ビジネスパーソンの転勤をめぐっては、男女雇用機会均等法施行規則が改正されるなど、ここにきて新たな動きがありました。前回の記事「『おい、おまえ転勤だぞ』と言われましても…」に続き、共働きファミリーが直面する転勤について考えてみました。

 

 共働き子育てファミリーにとって、転勤は大きな問題だ。そもそも転勤を拒否できないのか、それともパートナーの転勤についていくのか、ついていくとすれば仕事は…。単身赴任を選択した場合、これまで二人でやってきた子育てや家事の分担はどうするのか…。

 現在日本のビジネスパーソンの働き方は、“雇用は安定しているが残業や転勤が多いなど職場に多く拘束される正社員”と“雇用が不安定、賃金が低い、能力開発の機会が乏しい非正規雇用労働者”に二種化されているのが現実。

 「そのため、働く人たちの意欲や能力の発揮が十分になされない状態です。まず、個人の可能性が最大限に発揮され、雇用と所得が拡大するような経済社会にすることが必要だと思います。また、正規・非正規の二種化を解消し、雇用形態に関わらず、将来に夢や希望を持ちながら、安心して生活を送ることができるような環境を整備することが急がれます」(厚労省担当者)

昇進や職種変更に転勤に応じることを条件にする「間接差別」を禁止

 まだ決して多くはないが、先進的な企業を中心に「働き方」の多様化や、社員のライフステージに応じた「仕事のギアチェンジ」が可能になるように、企業も様々な取り組みを開始している。歩みを揃えるように国の制度も変わりつつある。

 厚生労働省は平成25年12月に、男女雇用機会均等法施行規則を改正する省令等が公布。職場での昇進や職種変更にあたり、合理的な理由がないままに、転居を伴う転勤に応じることを条件にする「間接差別」を禁じた。子育てや親の介護などの都合で転勤が難しい人が、不利になることがないようにするもの。平成26年7月1日から施行する。