『だれも教えてくれなかった ほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』の共著者で、夜間保育&学童保育所を運営する認定NPO法人あっとほーむ代表の小栗ショウコさんと、松蔭大学・経営文化学部准教授の田中聖華さんに、仕事と育児の両立について聞きます。

働きながら子どもを育てていると、情報収集に貪欲になれる

 幸いにも、現代の私達は全く分からないことがあってもすぐに調べられるツールに恵まれた社会に暮らしています。

 分からないことがあると、すぐに携帯端末やパソコンで検索サイトを調べることができますし、必要とあらば、見ず知らずの人に質問をして答えを教えてもらえることもあります。本当に便利な社会です。

 でも、出産や子育てに関する疑問は、ネットで検索しても見つからないことがあります。子どもの特性は一人ひとり違うし、近隣の祖父母の有無など家庭環境やママの置かれた状況だって違うからです。

 子育てにマニュアルはありません。どういう場合にどのように対応するか、そのときによって、またその子によって、正解が全く異なるということだってあるのです。育児書や育児サイトなど、たくさんの情報があふれていても、それだけで子育てできるものではないのです。

 でも、「自分には働きながらそんな重大なことを手探りでするなんて、大変そうでとてもできない」と思う必要もありません。あなたの周りをよく見ると、必ず子育ての先輩がいるはずです。また、行動すれば、必ず子育ての支援者に出会えます。

 実は、こういうときこそ働いているとかえって助かることもあります。

・ 育休から仕事に復帰するために、子どもの預け先の情報を入手する
・ 仕事復帰後のトラブルや困り事になりそうなことを前もって調べておく
・ 役所の人と顔見知りになっておく
・ 働くママから話を聞かせてもらう

 上記のように、出産後も仕事をすることを前提にすると、出産・育児休暇の前後から幅広く行動せざるを得ません。そして、それこそが、孤独な子育てに陥ることを防いでくれるのです。