もちろん資格取得への道のりも平坦ではなく、最終試験や現場実習のときに限って子どもが高熱を出すなど、幾度となくハプニングに見舞われましたが、そのたびに実家から飛行機で実母を呼び寄せ、実母が到着するまでの半日は、夫に休暇を取ってもらうなどの対応をして乗り越えました。つまり、出産前と同じ仕事かどうかということに限らず、働き続けたいという気持ちがあれば、何とかして実現しようと動き出すことができるのです。
働く母親が子どもに託す「思い」を大事にして
「産むからには、自分でしっかり育てたい。他人に預けるなんて、母親失格になってしまう」と思う人もいるかもしれません。でも、働くママが、子どもをいいかげんに育てているわけではありません。
「あれこれ母親が言い過ぎると子どもにかえってよくないから」
「親だけでなく色々な人に見守られて育ってほしい。世の中に様々な人がいることを小さいうちから知ってほしいから」
「自分自身、子育てを通じて世界を広げたい」
そう考えて、自分のキャリアと子育ての両立をあえて選び、うまくいっている女性も多いのです。
子育てをしたからこそ、仕事のレベルが上がったという人もたくさんいます。仕事に充てられる時間が限られているため生産性の高い仕事の進め方ができるようになってきたり、出産前よりお客様の立場が手に取るように分かって、信頼される、頼りになると思っていただけるようになったり……。
産休や育休で一時的に仕事の場を離れても、それは決してあなたにとってのマイナス要因ばかりではないのです。
<『だれも教えてくれなかった ほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』
(小栗 ショウコ、 田中 聖華 共著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)から転載、一部修正を加えました>