夫が同居の実母に限界 この修羅場をどう切り抜けたか

——川上さんの家はお母さんと同居ですが、その辺、ご主人とお母さんの関係はどうですか?

川上 「基本的に夫は海外出張が多くて忙しい仕事なので、子育てや家事は期待できない。私もフルタイム勤務。母がいないとわが家は成り立たないんです。夫もそれが分かってるから、母については何も言わないです」

——じゃあ、感謝しているお礼の言葉とかは?

川上 「それも、ないんですけどね」

一同 「えっ?!」

川上 「夫と母は、あまり会話がないんですよ。母には生活費も渡してるし、お礼のポケットマネーも私が毎月渡しているんですが、母はマイペースで強気な人で、『ありがとう』といった態度は全く出さない。“子どもを見てあげている”し、当たり前だと思ってるんでしょうね。一方で夫も“オレの家に住まわせてあげている”という気持ちがどこかにあるんだと思います。でも、共働きでやっていくためには母の手助けは不可欠なので、お互いにもう見て見ぬふりという感じで…」

——過去にもめることもなかったんですか?

川上 「一度ありました。同居して1年目くらいに2人がぶつかって、夫が『お義母さんに出て行ってもらおう』と言い出したんです。母のほうは、私が味方になって、一緒に夫の悪口を言ってほしかったんですね。でも、それをしたら夫の居場所がなくなってしまうのも分かっていて、すごく悩んで会社の先輩ママに相談しました。すると、『夫が悪い。でも、あなたも良い子になろうとしてるんじゃない?』と言われてハッとしたんです」

トライ・アンド・エラーを繰り返して見えたわが家のカタチ

——それで、どうしたんですか?

川上 「その日に帰って、もう深夜だったけど母に夫や私の気持ちを言って口論になりましたよ。母にも『私のおかげでやっていけてるんでしょ』という自負もありますし。その後、夫も反省し『お義母さんがいないと成り立たない。いてもらおう』と謝ってくれました。私も母には毎日のことでもこまめにお礼を言ったり、週末など私と子ども達と母という夫抜きのお出かけの時間を作ったりして、気分転換してもらうようにしています。今は同居して3年が経ち、夫と母の会話は少なくても、“わが家のカタチ”が出来てきた気がします」

飯田 「うちも義母や実母の滞在日数を変えてみたり、アウトソーシングしてみたり、いろいろトライ・アンド・エラーで数年やってきて、やっと最近みんなが気持ちいい距離感が分かった気がします

佐久間 「私も『家族だけで頑張っていきたい』という夫の気持ちを尊重しながら、必要なときにはアウトソーシングを頼むようになったことで、夫と母の関係も改善しました。母にもまだヘルプをお願いすることはありますが、実家に電話をするときには夫に替わってもらって一言でもいいから母にお礼を言うようにお願いしています。そうすることで、次に会ったときにお互いにいい気持ちで過ごせますから

次回(「同居の母に毎月9万円払う」 共働き妻のリスクヘッジ」)に続く。

(ライター/岩辺みどり)