「仕事を諦めずにどうやって子育てするか」と考える
しかし、一方で、自分が身に付けてきた知識や経験を社会に役立てられることに喜びを感じ、またその面白さ、楽しさを体感して、「仕事が好き」な女性も増えてきました。
私の周りのそうした女性達は、従来の女性の働き方モデルのイメージに縛られてはいないことが分かってきました。「出産したら、仕事を辞める」という選択肢を持っていない、というより、考えたことがなかったという人もいます。
彼女達の考え方の順番は、こうです。
つまり、「子育てをしながら、どうやって働くか」ではなく、「仕事を諦めずにどうやって子育てするか」という方法を考える、というのがまず頭の中にあるのです。
たとえ、一時的にせよ働くことをやめたとしても、働く場に戻ることにとても積極的です。
復帰を少しでも有利にするために、あるいは少しでも自分が理想とするキャリアを積むために計画的に勉強したり、資格を取ったりすることを考える人もいます。
子育て中に計画して、起業する女性もいます。彼女達を見ていると、「早く働きたくて仕方がない」と言っているように感じられます。
育児休業法が幾度かの改正を経て、雇用する側も社員が育児休業を利用しやすいように取り組んでいるケースも少しずつ増えてきました。
また、様々な事情で働き続ける女性も増えてきています。働く側と雇用する側、あるいは働く側同士の間に様々なあつれきや葛藤があるのも確かです。
けれども、復帰後にどのような働き方で、どのようなキャリアを積み上げていくのかは、自分が「働く」ということとどのように向き合っていくかという姿勢によって、一人ひとり異なります。
また、その一人ひとりの考え方が会社や仕事をする仲間に影響していくのではないかと思います。
次回は、「働き続けるための支援の現実」をテーマに取り上げます。
<『だれも教えてくれなかった ほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』
(小栗 ショウコ、 田中 聖華 共著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)から転載>