子育て中は、いつも「しなくてはならないこと」に追われる

 子どもが小さいうちは、子ども中心の生活になります。

 日本の子どもは、「お子様」と言われるように、大人と一緒に生活する小さく弱いもの、つまり、いたわるべきものとして、暗黙のうちにハンディーをもらい大きな発言権を持っています。

 最近の少子化社会では、特にこの傾向が強いようです。

 私達は、子どもが生まれると、当然のように子どもに合わせた生活にその方法や様式を変えていきます。母親は、自然と子どもに合わせるように生活します。子どもと一緒に食事を取り、一緒にお風呂に入り、一緒に寝ます。でも母親には、さらに親としての仕事以外の家庭の仕事があります。

 多くの母親は、子どもを寝かしつけた後、もう一度起き出し、残した家事に取り掛かります。子どもが小さいうちは、一日の睡眠時間が2段階に分かれている母親は少なくありません。途中で起きられない場合は、たいていの場合、翌朝、子どもが起きる2時間以上も前に起きて、前の日に残した家事を片付けます。休日もほとんど変わらない生活です。

 たまには、ゆっくり休みたいと思っても、なかなかそうはいきません。働いていると、常に次の1週間をどうやってうまく回していくかを考えていなければならないし、その準備に休日も追われています。

 冷静に考えると、実は、これらの家事は母親しかできないものではないのですが、現実として母親が担うことが絶対的に多いというのが、現時点での実情です。

 こうした家庭の仕事にさらに家庭の外での仕事が加わると、さらに時間的制約が厳しくなります。

 子育て中の働く女性にとって自分のためだけに使える自由時間は非常に少なく、いつも何かしら「しなくてはならないことに追われている」という感覚が拭い去れません。

子どもを最優先に、自分のことは後回しに

 子ども中心の生活時間に見られるように、子育て中の働く女性にとっては時間的制約が非常に大きいのです。なので、限られた時間の中で「しなくてはならないと思っていること」を完璧にこなそうとすると、おのずと子育てのための役割の優先順位が高くなります。そして、自分のことは後回しになるのです。