政府による税投入がない→企業ベビーシッターサービスが高くなる→個人シッター等が(質を犠牲にして)低価格を売りに広がる→子どもの命を失うリスクが高まる

 マッチングサイトは、この構図を媒介するツールとして機能した、ということが言えます。

【なぜ政策支援がなかったのか】

 保育所が提供する、日々の預かり。これを「通年保育」という言い方ができます。ベビーシッターが主に活躍するのは、ここから外れたイレギュラーな保育、例えば夜間や休日、お泊まり等です。

 こうしたところには、保育所が行う場合において加算がつく、という仕組みで国は対応してきましたが、あくまで周縁的な存在でした。

 一方で、働き方とライフスタイルは、多様化の一途を辿ります。ひとり親は増え、サービス業の増加と言う産業構造の変化から、土日に働く人は増え、夜間や深夜に働く人も珍しくなくなりました。以前ならば通年保育の範囲でほとんどの人達をカバーできていたものが、できなくなってきました。

 しかし状況は、通年保育の数さえ足りない状況です。その中で、周縁的な保育サービスを充実していこう、という観点にはなりづらかったのです。そして、今この文章を書いている時点ですら、待機児童解消には1兆1000億かかるのに、財源は7000億しか確保できていません。

 我が国は、子どもと子育てに社会的投資をする額が、圧倒的に少ないのです。