上乗せして、手厚い給付がもらえる「付加給付」
では、付加給付とはどんなものなのでしょうか。
付加給付とは、法律で定めた健康保険の給付に上乗せして、健康保険組合や共済組合が独自に行う手厚い給付のことです。
先ほど、一般的な高額療養費の自己負担は約9万円とお伝えしましたが、健康保険組合や共済組合に「付加給付」があれば、自己負担が実質2万円や2万5000円などに下がることがあるのです。
高額療養費制度を使ったうえに「付加給付」があると、実質の医療費の自己負担がさらに少なくなるので助かりますね。
自己負担がいくらまで下がるかは、それぞれの組合によって異なりますし、健康保険組合や共済組合に加入していても、「付加給付」がないところもあります。「あればラッキー♪」という気持ちで、自分の健康保険の保険者と付加給付の有無を確認してみましょう。
この制度があるかないか、そして、知っているか知らないかで、もしものときの安心度や家計の医療費負担、加入する民間の生命保険料が変わりますよ。
付加給付があるかどうか、どうやって調べるの?
私のところに相談にいらっしゃる方のうち、健康保険組合や共済組合に加入していても、付加給付をご存じの方はとっても少ないのが現状です。そこで、勤務先に確認してもらったり、インターネットで付加給付を検索したりして調べています。
インターネットで自分が加入している健康保険組合の名前を「●●健康保険組合」、あるいは「●●健康保険組合 付加給付」と入力して検索してみましょう。
健康保険組合によっては、IDやパスワードがないとサイトの中が閲覧できないところもありますから、そんなときは、勤務先にIDとパスワードを確認して、再チャレンジしてくださいね。
<健康保険組合の一例>
たくさんの健康保険組合があります。ここに紹介したものは、一般の場合の一例です。
●トヨタ自動車健康保険組合
(自己負担の上限2万円)
●関東ITソフトウェア健康保険組合
(自己負担の上限2万円)
●日立健康保険組合
(自己負担の上限2万5000円)
●NTT健康保険組合
(自己負担の上限2万5000円)
●東京不動産業健康保険組合
(自己負担の上限3万円)
次回は、協会けんぽや健康保険組合、共済組合に加入している働く本人の「傷病手当金」についてお伝えしますね。