後半は、仕事と育児の両立に悩みながらも今ではボスの立場で活躍している4人が登壇するパネルディスカッション。登壇者は、NPO法人コヂカラ・ニッポンの代表理事の川島高之さん、育休後コンサルタントの山口理栄さん、東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランスコンサルタントの塚越学さん、日経DUALの羽生祥子編集長。

 「次世代を育てる、かっこいいイクボスを増やすには?」というテーマで、悩みを抱える参加者を安藤さんが指名してゲストとして迎える。

育児中のママやパパはイクボスになれる要素を備え持っている

 復帰を目前に控えたママや理解のない職場で闘っているワーママ、社内で慣例となっている単身赴任に戦々恐々としている育児中のパパなどがそれぞれ悩みを吐露し、4人の登壇者が自身の経験を交えながらアドバイスした。

 「イクボスがまだ浸透していない今、上司にアタリハズレがあるのも現実。上司は社内で成果を出すプレッシャーと闘っています。自分の権利を主張する前に、まずは成果を先に出せるようコミットメントすることも効果があります」(川島さん)。

 「ママたちを育成していけば、そのママたちがイクボスになる。現場で頑張っているママも恐れることなく、管理職になってほしい。今のその経験が必ず、これからの部下のマネジメントに生かされると思います」(山口さん)

右から塚越学さん、山口理栄さん、佐藤雄佑さん(リクルートキャリアの男性育休第一号)
右から塚越学さん、山口理栄さん、佐藤雄佑さん(リクルートキャリアの男性育休第一号)

 「部下には、上司に知らせる勇気が必要。そして、上司には部下のことを知る勇気が必要。お互いに上手く伝えられなくて、うまくいかないこともあると思います。でも、案外、上司は知らないだけ。部下が根気強く伝え続けると、上司や職場が変わっていくこともあります」(羽生)

 「今や、部下の私的な部分を無視してマネジメントはできなくなっている。それをどれだけ、今のボスたちが実感しているか。イクボス・プロジェクトではその意識から変えていきたいですね」(塚越さん)