「仕事も子育ても、諦めなくていい」という日々はいつ実現するのか

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 平成23年の第1子出生時の母の平均年齢が30.1歳であること、また第1子の出産を機に仕事を辞める女性が、依然として少なくないことを考えると、子どもを産まずに働き続けている女性が30~34歳の年齢階級に増えたということが考えられます。

 つまり、女性の初産年齢が高齢化しているということです。

 子育て期に働いていなくても、本当は働きたいと思っている女性はたくさんいます。M字型の底を作る30歳代の女性達がほぼ全員働けば、年齢階級別の労働力率のM字型は、限りなく台形に近づいていき、20歳代後半にいったんわずかに落ち込むものの、ほぼ男性と同じような形になっていきます。

 30歳代半ばまで出産(一部は結婚)しないまま働き続けている女性達は、ある程度の経験を積み、キャリアを築いて、職場でも重要な存在になる年齢です。自分自身も仕事に充実感を覚え、仕事が面白いと感じている人も多いでしょう。

 そうした女性が、出産すると「今までのように働けなくなるのでは?」「せっかくのキャリアを捨てたくない」という不安な思いに駆られても不思議ではありません。だから、ますます「辞める」か、「出産を諦める」かの選択に悩むこともあるでしょう。

 また、出産を機に退職したものの、「やっぱり働きたい」「でも、子育てをしながら働くのは無理」「自分のやりたい仕事に就けそうにない」「子育てもちゃんとしたい」と、働かずにジレンマを抱えたままの毎日を送っている人もいます。

 それが、将来の経済的不安や精神的不安につながっていくことを、うすうす予感しながら……。

 そんな複雑な思いを持ちつつ、働き続けたい、働きたいと思っている女性達には、「仕事か子育てか、どちらかを選ばなければ」という二者択一の選択がつきまとっているように思えます。

 逆に「仕事も子育ても、諦めなくていい」と考えられれば、もっと子育てを楽しみ、自分の世界を広げ、充実感を持って働き続けることができる女性が増えるのではないかと思えてなりません。

 次回は、なぜ、女性達が二者択一を迫られてしまうのか。それに影響しているのではないかと思われる「仕事と子育ての両立」についてのイメージをまとめてみようと思います。

<『だれも教えてくれなかった ほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』
(小栗 ショウコ、 田中 聖華 共著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)から転載、一部表現を変更>

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