室内は木やコルク床など天然素材を用いた落ち着いた雰囲気。北向きの高窓から柔らかい光が入り、南向きに面した窓を開放すると広い縁側空間が出来る。明るく開放感のある空間で子ども達がのびのびと遊べるよう設計されている。

天気に左右されず、直射日光ではない柔らかい光が入る北側に設置された高窓
天気に左右されず、直射日光ではない柔らかい光が入る北側に設置された高窓

きれいな色調がかわいらしいトイレ
きれいな色調がかわいらしいトイレ

 運営に関しては、子育て中、妊娠中の社員を対象にした事前アンケートを実施し、意見を取り入れたという。

 厚生労働省の調べでは待機児童のうち0~2歳が8割以上とされるが、同園の受け入れは生後57日目以降の0歳児から。本社ビル以外で働く社員の利便性も考慮して開園時間は7時半からとし、残業に対応するため20時までの延長保育が可能、社員が柔軟に利用できるよう工夫されている。保育時間は事業所内保育園の平均である10時間半を大きく上回る12時間半となっている。

 さらに、電車通勤の社員が多いので荷物を持ち込む負担を軽減するため、昼寝用の布団を用意したり、着替えのクリーニングサービスを導入したりといった細かな配慮もある。

出産後も働く女性MRは2007年の11倍以上

 当面は保育士3名、調理師1名のスタッフでスタートし、園児の増加に合わせて増員する予定。業務委託によるニチイ学館と大塚製薬との共同運営という形を取り、ニチイの語学スクール・COCO塾と連携した英会話やリトミックなど、子ども達が楽しく学べるカリキュラムを用意する。

 定員は30名。父母、または祖父母のいずれかが大塚グループに直接雇用されている家庭の子、孫で日中子どもの世話をする人がいない家庭の0歳児(生後57日目以降)から就学前までの乳幼児が保育対象となっている。

 同社の広報部によれば「当社の女性MR(医療情報担当者)比率は20%以上で業界平均の2倍。出産後も働く女性MRは2007年から11倍以上に増加している」。その状況を踏まえ、今後も国内外で事業所内保育所の開園を検討し、多様な人材が活躍できる環境を整えていくという。

(文・写真/田北みずほ)