子どもには幸せな人生を歩んでほしい…親なら誰もが願うことでしょう。同時に「親として子どもに何ができるだろう」と考える方も多いのではないでしょうか?

 そんな子育てに対する想いや不安を、戦後初の独立系生命保険会社「ライフネット生命」を60歳過ぎて立ち上げた出口治明さんに投げかけてみました。

 大手生命保険会社での勤務をはじめ、海外生活・勤務やベンチャー立上げという貴重な経験を重ねてきた出口さんから、子どもに伝えたい「生きる力」について学びます。

※この記事はハイスキルマザー向けの仕事紹介事業を行うWarisが2月8日に行ったセミナー内容に基づいて作成しています。

◆講師
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役会長兼CEO
出口治明さん
 1948年三重県生まれ。京都大学を卒業後、1972年に日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2006年に準備会社を設立し代表取締役社長に就任、2008年の生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に商号変更。2013年6月より現職。著書に「生命保険入門 新版」(岩波書店)、「直球勝負の会社」(ダイヤモンド社)ほか多数。

人と違うことを考えられる子どもになってほしい

 「子どもに伝えたい“生きる力”」と聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?

 とても概念的な言葉ですから、すぐに答えが浮かばない人も少なくないかもしれませんね。私は「人とは違う考え方ができるように育てること」が最も重要だと考えています。

 いつの時代においても、人と同じことをしていては、それ以上の発展が望めません。閉塞した現代社会ではなおさらのこと、人とは違う考え方ができることこそ、突破口になると思います。

 しかし、「他の人と違う考え方ができる子に」と言われても、日本の画一的な教育の中で育むのは、なかなか難しいと感じられるかもしれません。

 人と違うアイデアを生み出すための肝になるのは、とにかく経験やインプットを蓄積することです。

子どもに経験やインプットを蓄積させるためにできることは?

 そのための手段として、「人・本・旅」が大事だとよく言われますが、私も自分の経験から、それ以外にはないと思います。子どもに限らず、親である大人たちにも言えることです。人から学ぶ、本から学ぶ、旅から学ぶことを意識して過ごしましょう。