23区で、保育園に入りやすいのは新宿区、入りにくいのは世田谷区

Q2 今、保育園が激戦だと言われている地区はどの辺りなのでしょうか。出産を控えた夫婦が引っ越しを検討する場合、保育園の入りやすさという点から見たら、どの地区への転居がオススメですか?

A2 以前、「待機児童がゼロの子育てしやすい街」とうたっていた港区が、今は激戦区になっているように、待機児童の状況は時とともに推移していきます。確かなことは、大規模な開発によりマンションの新築が相次いでいる地域は入園状況が悪化するということです。

 平成26年4月入園について、東京23区の入園申請数と募集枠の割合を調べた東京新聞の記事(2月28日朝刊「認可保育所不足さらに悪化 2万1000人 入れず」)によれば、世田谷区、杉並区、目黒区では入れない子どもが申請数の5割以上、台東区、中野区、港区、豊島区、足立区、大田区、江東区では4割以上になると見込まれています。

 「保育園を考える親の会」が毎年、首都圏の主要市と政令指定都市について独自に調べている調査では、23区で最も入園率が高い(認可保育園に入りやすい)のは新宿区(80.8%)、次いで葛飾区(79.0%)でした。首都圏の都外の回答自治体で入園率が80%を超えているのは、我孫子市、八千代市、春日部市、川越市、富士見市、ふじみ野市、横浜市、鎌倉市、平塚市などでした(平成24年4月入園の入園決定数÷入園申請数、『100都市保育力充実度チェック』掲載)。

 厚生労働省に各市区が報告している待機児童数は、必ずしも実態を表してはいないことに注意しなくてはなりません。

 また、自治体の中でも、地域によって大きく違うことにも気を付けなくてはなりません。駅に近い保育園は競争率が高く、不便な立地だと入りやすかったりします。後者のほうが意外に自然環境などの点で子どもにとってはよい場合もあるので、少し遠回りになっても通える園は視野に入れたほうがよいでしょう。

 自治体の窓口で、前年の入園状況の実績を聞き、住宅開発の状況などもチェックすれば、その地域の入園の難易度はある程度分かるはずです。