自動掃除機能はついていたほうがいい

──カタログを見ると、自動掃除機能は当たり前になっているのですね。本当にきれいになるんですか?

 きれいになります。ただ先ほど言ったように、上位モデルと下位モデルでは、掃除する範囲が違うので注意が必要です。

 下位モデルはフィルダーだけを掃除する場合が多いのですが、上位機種は奥の部分まで掃除してくれます。エアコンの構造は、中に行けば行くほど手が届きにくくなりますので、奥まで掃除してほしいものです。特に忙しいDUAL世帯はそう思うのではないでしょうか。

 エアコンは、1年間、掃除しないと能力が25%も落ちると言われています。

 毎年、内部までの清掃を専門業者に頼むと、5000円~1万円くらいかかります。10年分にすると5万円~10万円です。その程度の値段差なら、高いモデルを買うという考え方もあるでしょう。一括払いか分割払いかみたいなものですね。

 またメーカーは、外部業者が内部を掃除するのを、積極的に推奨はしていません。そういう意味でも、自動掃除機能には安心感があります。

買い替えの判断は「送風」モードで確認

──そもそもエアコンは、どのくらいの間隔で買い替えればいいんでしょう? 省エネはどんどん進化しているみたいですが。

 確かにエアコンには省エネ化が進んでいるイメージがありますが、2003年から2013年の10年間では、12%程度にとどまっています。なので10年前のエアコンを買い替えたから、劇的に省エネ効果があるかといえばそうでもありません。

 ただし、1995年から2005年の10年間に、急激に省エネが進みました。ですから、20世紀に買ったエアコンを買い替えると、省エネ効果が大きいので、買い替えたほうがいいでしょう。実はエアコンは15年~20年使っている人も多いんです。いつ買ったか、確認してみてはどうでしょう。

──エアコンが調子が悪いのかどうかはどう判断すればいいのでしょうか?

 性能が落ちているかどうかは暖房ではなく、冷房の利きのほうが判断しやすいですね。冷えなくなったと感じたら買い替えの時期かもしれません。

 あとは異臭です。異臭がするのは内部が汚れている証拠。冷房にすると分かりづらいので、送風モードにして異臭がしたら買い替えを考えたほうがいいと思います。

送風モードにして異臭がしたら交換の時期かも
送風モードにして異臭がしたら交換の時期かも

(解説/戸井田園子 聞き手/日経DUAL編集部 大谷真幸)

ショップ担当者にも聞きました

 エアコンは1つのメーカーで、安いものから高機能なモデルまで、7~8段階のグレードがあります。どうやって選ぶかですが、「自動掃除機能」、そして温度を下げず湿度だけを下げる「再熱除湿」の有無で、ある程度絞り込むことができます。再熱除湿は肌寒い梅雨の時期に除湿をするときに便利です。忙しくて、お子様も小さなDUAL世帯には自動掃除機能と再熱除湿機能はついていたほうがお薦めだと思います。
 購入時に注意してほしいのは、取り付け工事についてです。当店の場合、エアコンの基本取り付け工事は無料ですが、有料の追加の工事が必要な場合もあります。排気管の形状、室外機の設置スペース、電源コンセントの位置などを確認してください。また最近のエアコンは、風の吹き出し口が旧型よりも大きく開くものが増えています。旧型では問題なかったのに、新型にしたら、カーテンレールに当たってしまった、という例も見られますので、そういった点に注意してお選びいただければと思います。(ビックカメラ赤坂見附駅店 玉那覇篤さん)

(前編「エアコンを買い替えるなら春がオススメ」もお読みください)

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