もう一度、整理しよう。
公立小学校の目標は、まずは全員が「ゴキゲンに学校に来て、ゴキゲンで帰ること」。自分は受け入れられている、学校が好き、仲間がいるという喜びに満ちた学校を作ること。
次に、知的好奇心を満たし、膨らませ、中学につながる「勉強の仕方」を身につけた子どもたちを育てること。
そのために担任の授業の力を、特に先ほど触れた「子どもの『わからない』に寄り添える先生」を育てる必要がある。個別の能力差に気づいた上で、集団授業をどう組み立てるか。塾講師時代の想像を超えて、学校現場は厳しい。
学力テストの県別や学校別の結果より大事な、1人1人の達成すべき目標がある。塾にいた頃、「難関校合格者数NO.1」より「第1志望合格率NO.1」の方がいい塾だと思っていた。難関校に合格した生徒以外は数に入れてもらえない塾ではなく、それぞれがレベルや個性に合った、行きたい学校に行ける塾。
学校に置き換えれば、今日の「できた!」はそれぞれ違っていい。仮にできなくても、挑戦した姿勢を褒めたい。運動でも挨拶でも、一つ自信がつけばまた一つ、がんばってみたくなる。その延長線上に、学力向上がある。その道のりは単純ではない。
まずは運動会。
子どもたちが褒められる場になるように、しっかりバックアップしたい。
みんな、がんばれ!
[本記事は日経DUAL編集部が2013年10月4日付日本経済新聞電子版に寄稿した記事を再構成しました]