保育園内に「シェアオフィス」も

 2014年4月には、新しい園舎「small village」が完成する予定。起伏のある土地をうまく生かし、谷を一つの“村”、園に携わる大人、子ども、地域の人々を“村民”、分棟型の保育室を“家”と捉えた小さな村がコンセプト。

 それぞれの学年の教室に異なったテーマを設け、自由に子どもたちが行き来できるようにする。建築の部屋、美術の部屋、光の部屋など、部屋ごとがコンセプトに沿った作りになり、子どもたちが思い思いの創作活動や時間を過ごせるようになるという。さらに、地域の人々や園に通わない親子も出入りできるようなコミュニティカフェとアーティストの活動拠点となるシェアオフィスも作られる。

 「保育園内シェアオフィスは、もしかしたら日本でも初めてかもしれませんね。テキスタイルデザイナー有田昌史氏とコンテポラリーダンサー東山佳永氏、2組のアーティストの入居を予定していて、子どもたちとの活動や子どものためのプロファクと開発なども行っていきたいと思っています。すでに子どもが描いた絵を有田氏がアレンジし、新しい園のカーテンを作ることになっています。ただ子どもに教えるというのではなく、お互いに影響を受け合って、そこから広がっていくような場所になるといいですね」

 すでに魅力的な取り組みをしているように見える園だが、「まだまだスタートしたばかり」という斎藤さんに将来の理想の保育園像を聞いてみた。

 「世界中から人が集う保育園にしたいです。海外からという意味だけではなく、地域の方、保護者、他の業界の方々、いろんな“世界”の人々との交流や接点が増えることで、社会の目が子どもにむきますよね。ベビーカー論争など今の日本は子ども、子育てに対して厳しい環境ですが、社会全体の眼が子どもに向くことで、子どもを取り巻く環境への正当な社会的評価がされるような一端が担えればいいなと思っています」

DATA
東京都町田市忠生2-5-3
042-793-4169小田急線または横浜線「町田駅」よりバス。忠生二丁目下車。徒歩4分