育児休業や短時間勤務、残業免除など子育て期を乗り切る様々な支援策が広がっている。出産・子育てを経ても働き続けられるようになったのは共働き世帯にとって朗報だ。だが制度利用が仕事上のキャリアにどう影響するかも見過ごしてはいけない。制度で許されているからと安心していると、意外な落とし穴にはまる可能性もある。育休キャリアロスのリスクと、その対応法について取材した。

 従来は育休や短時間勤務などのブランクがあったとしても、勤務先においてキャリア形成が遅れるだけだと思われてきた。ただ最近の研究調査では将来的に取り戻せない格差が生じる「キャリアロス」のリスクも指摘されている。

 仕事と生活のどちらに比重を置くかは、あくまで個人の選択だ。ただ仕事とキャリアを重視するならば、子育て支援制度をどう使うかも慎重に考えなければいけない。

「子どもを産んだ後もキャリアアップに関心を持ってほしい」

 「権利ばかり主張し過ぎてもマイナス。一生懸命仕事に取り組む姿勢を見せていれば自然と周囲も応援してくれます」。2014年3月1日、明治安田生命保険の本社会議室で「復職応援セミナー」が開かれた。参加したのは4月以降に育児休業から復帰予定の女性社員ら15人。先輩ワーキングマザーの助言に真剣に耳を傾けた。


明治安田生命保険本社会議室で開かれた「復職応援セミナー」で、先輩ワーキングマザーの体験談を真剣に聞く参加者

 復職応援セミナーは2013年3月に開始。半年に1度のペースで開いている。職場復帰後に休業前と同様の働き方をスムーズに取り戻せるように両立のコツや心構えを伝える。

 明治安田生命保険は2006年からワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)施策を拡充してきた。育休は子どもが2歳になるまで取得でき、小学校1年修了まで勤務時間を1日5時間に短縮することも可能だ。仕事と子育てが両立しやすくなり、出産退社は急減。2012年度の育休取得者は278人に上り、ここ2年で約100人増えた。

 育成した人材が流出しなくなったのは会社にとっても好ましい変化だが、新たな課題も浮上した。

 ダイバーシティ推進室の浅野芳一室長は「制度を使うのは自由。目いっぱい利用しても構わない。ただ会社は今、ワーク・ライフ・バランスと同時に女性の登用も進めている。子どもを産んだ後も立ち止まらずに、キャリアアップに関心を持ってほしい。出産した社員の早期戦力化が次なる課題だ」と説明する。

次ページから読める内容

  • 一人前のスキルが身に付かないリスクも
  • キャリアロスのリスクを本人に伝えない上司も
  • 企業風土や職種によって事情は異なる
  • 復帰前に夫との家事・育児分担を明確に

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