結婚や出産をきっかけに仕事を退職した女性たちを対象に、再就職に必要な専門教育を施す大学の実践講座で、講座生に向けて、企業を集めての合同説明会が行われた。その様子をのぞいてみた。

 2014年2月27日、日本女子大学(東京・文京区)の生涯学習センターで、「リカレント教育課程 合同会社説明会」が開かれた。

 日本女子大学のリカレント教育課程は、結婚や出産などをきっかけに仕事を退職した女性たちを対象に、再就職に必要な専門教育を施す実践講座(詳しくは過去記事「就職率8割以上 大学が磨き直す主婦の底力」参照)。ここで学ぶ受講生に向けて、複数の会社が求人の説明を行う合同説明会は、年に2回行われているという。

久しぶりの面談に戸惑う

 今回の説明会に参加したのは聖路加国際メディカルセンターや文京区役所など、9団体。受講生は、すでに教育課程を終えた修了生も含め、22名が参加した。

会社の説明を真剣に聞く受講生たち
会社の説明を真剣に聞く受講生たち

 まずそれぞれの企業が、会社概要を紹介した上で、求人の内容を説明していく。

 「英語が得意な方、中国語、韓国語が堪能な方がいると助かります」
 「今回の求人は非常勤の有期雇用ですが、非常勤から正規雇用になる人もいます」
 「仕事は与えられるものという人は向いていません。新しいことに挑戦したい人は向いています」
 「子どもを持って再就職することに不安を持っているなら、個別に相談に乗ります」

 説明を行ったのは9社中8社で、時間は1社20分。パワーポイントなどを使ったプレゼンテーションを、リクルートスーツに身を包んだ受講生たちは熱心に聞いていた。

 会社説明の後は、各社がブースに分かれて、受講生との面談、交流が行われる。見ていると、受講生たちはなかなかブースへ向かわない。面接は新卒の時の就職試験以来という人も多く、気後れしているようだ。それでも何人かがテーブルに着くと、他の参加者もテーブルに向かうようになった。

「今日はいつもより早いですよ」

 そう教えてくれたのは、リカレント教育課程再就職担当の上山絵美子さん。受講生は30~40代が多く、今でこそ当たり前になった合同会社説明会も「新卒の時にはなかった」という人も少なくないそうだ。

説明会の後半は企業ごとのブースに分かれ、面談が行われた
説明会の後半は企業ごとのブースに分かれ、面談が行われた