理科展のレベルの高さにビックリ!

 僕が住んでいる埼玉県では、優れた自由研究は学校代表として「理科展」(正式名称:「埼玉県科学教育振興展覧会」)というコンペに出展されます。これは学校代表に選ばれた研究が市の展覧会に出展され、そこで選ばれると県展に出展されるという仕組みです。埼玉県の「理科展」は僕が小さな頃から続いているもので、小中学校では理科展出品作を全校生徒の前で発表するのが通例です。

 次女の自由研究は運良く学校代表に選ばれ、市の展覧会に出展しました。結果は残念ながら入賞止まり。でも、次女は他の出展作品を見て、その研究着目点からの発想の広がりに刺激を受けたようです。

 さて、この「理科展」の展覧会には、たくさんの研究があり、見学するだけでもとても勉強になります。特に県展に出品される優秀作品は読み応えがあり、「本当にすごい!」と声が出てしまうほど。そこで気づいたのが、優秀作品は「これは親子一緒になって研究しているに違いない」ということです。

 その年の市の展覧会の最優秀作品は「塩の研究」でした。海から塩を生成する実験、塩の結晶を電子顕微鏡で見るなど、塩という身近な食材を実に多角的に研究しており、とても面白い研究に仕上がっていました。これをじっくり見たあとの妻の一言。

 「この海の実験、旅行先でやっているよね。きっと夏休みに自由研究を軸にした旅行を企画して、家族で徹底的にやっている感じがしない? 親も一緒になってめちゃめちゃ楽しんで調べているのが目に浮かぶんだけど」

 確かにその通り。親と子で、この塩の研究に夢中になっているのがビンビン伝わってくるのです。しかも、塩の問題は算数の濃度の問題、理科の結晶、古代史の塩の道など、さまざまな教科にもつながっていきます。そういう視点も含めて意図的に自由研究をデザインしていたとしたら、この親は恐るべしです。

 この夏は、ぜひ「理科展」を親子で見に行ってみてはいかがでしょうか? 自由研究の優秀サンプルがたくさん見られますし、何より親がどういうサポートができるのか、子どもにどういう理科の視点を自然に授けられるか、のヒントが盛りだくさんです。

 僕は、今年こそ、埼玉の「理科展」の最高峰、埼玉県展に行ってみようと思っています。やはり、県展のトップ研究がどのレベルなのか、それを逆算して、親がどう子どもの理科的好奇心を育む間接教育(=3Dラーニング)をデザイン、マネジメントするかを真剣に考えてみたいのです。

 ウェブで調べてみると、中学高校になると日本学生科学賞という全国コンペがあるようです。このサイトに掲載されているデータベースを見ると、研究レベルの高さと着眼点のユニークさが大変面白く、参考になります。