何もしなければ、信頼関係は育まれない

 「人と人とがつながる場所は、働く母親&父親に限らず、誰にとっても大切なものです。境遇や生き方、考え方の異なる人達と知り合い、話をすることで、新しい気づきがあり、自分自身を客観視できるようになるのではないでしょうか。色々な人と接することは、誰にとっても人生の幅を広げるきっかけになると思います」

 では、具体的にその場とはどこにあるのでしょうか。高橋さんは続けます。

 「例えば地元で気軽に相談できる人がいるといいですよね。地域の人とつながれば、助け合いも増えるでしょう。『NECワーキングマザーサロン』も、『地元に仕事の話ができる人がいるといいよね』という思いから地域密着型というスタイルで開催しています」

 ただし、地元に限らず、コミュニティーに入りさえすれば、信頼関係が勝手に育つというものではありません。

 高橋さんは言います。

 「まずは、お互いの思いを言葉で伝えあう場・時間を持つ。そこからお互い気づき合うことで何かが動き出し、信頼関係も始まっていくのではないでしょうか」

 「悩みを抱え込んで堂々巡りになっている時期は、自分や家族のこと、職場の人間関係などヘビーな問題にガツンと向き合う必要のある場合が多いです。それはしんどいこと。だからこそ、乗り越えるためには、体力と仲間が必要だと私は考えています。世間話しかできない表面的な付き合いではなく、目の前の相手と自分や仕事のことを真剣に話せるようになれば、自然と助け合える関係になっていくのではないでしょうか」

 「そんな関係が生まれるきっかけにしてほしいと考え、マドレボニータでは、自分の素の思いを言葉にできたり、真剣に語り合っていけたりするような場づくりをしています」