「残り時間、あと15分です」
このコールの直後、福島チームは「じゅうねん」と呼ばれるえごまあえを余裕の表情で盛り付けた。ごはんが炊き上がり、オーブンからおもむろに「もち麦バーグ」を取り出す愛媛チーム、「具だくさんのみそ汁」の温度を測りながら味見をし、大きくうなずく山形チーム…。各チームの個性が最もよく伝わってきた瞬間だった。
限られた時間の中で日ごろの練習通りの手順を踏んで作業に臨んだ選手達。
調理終了の合図の後は、安堵の表情を浮かべるチームもあれば厳しい表情で顔を見合わせるチームもあった。しかし、どのチームが勝っても負けてもこの調理場で奮闘した24人全員に惜しみなく拍手を送りたい。その場にいた誰もがそんな気持ちになったはずだ。
ストーリーの勝利? あの松丸先生の文京区立青柳小学校が優勝した秘訣とは
調理台にずらりと並ぶ全12チームの給食。どれも各県のふるさとの味といっていい。その一部を簡単に紹介したい。
……などなど、どれもふるさとの食材をふんだんに使い、作り手の知恵と工夫がたっぷり詰まっていた。
審査員の食味審査を経て、結果発表が始まった。