第一子の妊娠を理由に退職する女性は34.0%にのぼる

 安倍政権が成長戦略の一環として掲げている「女性が輝く日本」。女性の活躍を謳いながら、「3年間抱っこし放題で職場復帰支援」の策が現実離れしすぎていると、とりわけママ達からの評価は芳しくなかった。

 厚生労働省が2009年に発表した「子育て期の男女への仕事と子育ての両立に関するアンケート」調査によれば、「第一子の妊娠」を理由に退職の道を選んだ女性は34.0%にのぼっている(同調査20ページ参照)。

 妊娠出産後に退職した女性正社員の退職理由を見ると、「家事、育児に専念するため自発的に辞めた」という回答が39.0%で1位。次いで「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさでやめた」が26.1%。「夫の勤務地や夫の転勤の問題で仕事を続けるのが難しかった」4.7%。これに「強制的に解雇された、退職推奨された」9.0%を含めると、「働く意欲はあったが断念した」人の割合は約8割を占める(同調査21ページ参照)。

日本財団ビルで開催されたランチタイム交流会の様子
日本財団ビルで開催されたランチタイム交流会の様子

 日本財団が主催している「ママの笑顔を増やすプロジェクト(略称:ママプロ)」が行ったアンケート結果によれば、「あなたが笑顔で育児できるようになるために大事だと思う取り組み」という問いに対して「働き方の見直し」を選んだ人がダントツで多かったという。

 昨年、ママプロが日本財団ビル(東京都港区)でランチタイム交流会を開催した。「 復職したいママの“休む”と“働く”の中間色を探る 子連れワークスタイルとは?」という趣旨のワークショップだ。

 ママ達の生の声を聞くことで「働く」と「休む」をなだらかにつなぐ手立てを一緒に考えてみようという試み。「働く」と「休む」の間を、ママ達の笑顔でつなぐためには何が必要か? 逆に妨げるものがあるとすれば、それはどういうものなのか?