【矢野さんの両立のコツ・その2】

●夫と分担する

 ママとパパが家事と育児を分担し合えれば毎日のことも回りやすくなるもの。矢野さんの場合、パパとは結婚当初から、「2人とも働いているから家事も半々ね」と分担し、出産後は「育児は2人のもの」という意識を常に共有。息子の新しい服、また爪切りなど細かい育児用品までパパに選んでもらいました。

 何か家事や育児をしてほしいときは、選択制を起用。「私は食器を洗うから、あなたは寝かしつけをお願いね」と頼んだり、「どっちかやりたいほうをやってもらえるとうれしい」と2つの家事から選んだりしてもらうそう。ポイントは、パパの苦手な食器洗いと、ママがどちらかというとやりたくない息子の歯磨きや入浴などを組み合わせること。そうすると、必然的に食器洗い以外を選んでくれるようです。

 「私が一人で何でもやると、パパは育児を遠いものと感じてしまうと思うみたいです。またパパはへそを曲げてしまうタイプで、自分から動けるような環境が合っているみたい。どうしても気になること、注意してほしいことは夜のリラックスタイムなど時間を選んで伝えます。『あれだけはこうしてほしい』と、明るくソフトに、笑顔で言うのがコツです(笑)」

●ある1日のスケジュール

 6:00 起床
 6:30 子どもを起こす
 7:00 家を出る→保育園に送る
 7:15 保育園から駅に向かう(通勤は電車で約1時間)
 9:00 出社
 12:00 ランチ(会社にいるときは同僚達とランチ)
 17:20 退社
 18:40 お迎え
 19:00 帰宅後、食事、入浴
 20:00 子どもとの時間(おもちゃで遊んだり、抱っこや会話をしたり)
 21:00 寝かしつけ
     子どもが寝るまでに1時間かかることも。一緒に寝落ちしてしまうことも少なくない
 23:00~24:00 食器洗いや食事の下ごしらえなど翌日の準備

●その他のポイント

 ・オリックスでは、子どもが小学校を卒業するまで一日最大2時間の時短を利用可。
  矢野さんの場合は、復帰後、約3カ月間、2時間の時短勤務をした後、1時間の時短に変更。翌年5月にはフルタイム勤務に移行した。
 ・忙しい時期は義母の手を借りる。
 ・食材は土日にまとめて購入し、生ものは冷凍しておく。
 ・産休中に一戸建てを購入。上司の「家の購入と引っ越しは産前に済ませたほうがいい。産後はもっと大変になる」というアドバイスを参考にした。

●土日の過ごし方

 ・土曜の午前中は夫にゆっくりと寝てもらい、午後に家族で買い物や遊びに出かけることが多い。
 ・パパの趣味はバドミントン。土曜日の夜、パパは子どもと入浴した後、一人でバドミントンに出かけてリフレッシュ。
 ・2週間に一度はパパと子どもに出かけてもらって(動物園、室内遊園地など)、矢野さん一人の時間を楽しむようにしている。

(取材・文/たかなし まき、撮影/花井智子)