パパの平日不在、全身じんましん……、最初の半年はピンチの連続

 復帰後、最初の半年間は想像以上の忙しさに追われる中、子どもの発熱で会社を突然休まざるを得ない状況も続いたそうです。さらに突然決まった、パパの異動。矢野さんが復帰して3カ月後には、パパの地方出張が増え、パパ不在の平日を余儀なくされてしまいました。

 もともと夫婦で家事を分担していた矢野家では、出産後もそのスタイルを変えることなく、朝の保育園への送りと洗濯、食器洗い、夜の寝かしつけはパパが担当していました。しかし、パパの異動によって生活は一変。パパは平日の間は九州に出張。金曜日の真夜中に家族の待つ東京の自宅に戻り、日曜日の夜にまた九州へ戻る、という生活に。必然的に、復帰したばかりの矢野さんが平日の家事と育児を一人で背負うことになりました。

 しばらくすると、今度は矢野さん自身の体調に異変が現れました。突然、全身にじんましんが出て、3日ほどは薬で症状を抑えながら仕事に出ていたそうです。

 「発熱や痛み、倦怠感など自己症状がなかったので出社しましたが、皮膚科を受診しても原因が分からなくて。医者からはストレスや疲れなのでは? と言われました。多分、気づかない間に疲労がたまっていたのだと思います」

 家事・育児を一手に引き受けることの限界を感じた矢野さんは、パパと話し合った末、義母に手伝ってもらうことに。以来、ほぼ泊まり込み状態で家事と育児をサポートしてもらう期間が3カ月ほど続きました。

 「子どもの夜泣きがひどくて、夜中のミルク作りや寝かしつけなども義母に甘えていました。洗濯や食器洗いなどもお願いしていて。細かいことは気にしないという自分の性格もあり、義母にお願いしたことには口を出さず、すべてお任せしていました。義母にはその都度、感謝の気持ちを言葉にして伝えるようにしていました」

 全面的にサポートをしてくれていた義母に、矢野さんが「来週からは自分で頑張ってみます」と告げたのは2013年11月ごろ。復帰から半年後、パパの転勤から約3カ月後でした。

 「最初は一人でできるか心配でしたが、実際に自分でやってみると意外と何とかなりました。子どもも私も病気をしなくなり、少しずつ生活リズムが安定していったのだと思います。ただ、今でも義母には、残業で保育園のお迎えに間に合わないときや早朝に会議があるとき、決算期などは自宅に来てもらっています。義母が家事をした後って、コンロや洗濯機の周りがとてもきれいなんですよね(笑)」