大谷家の家族写真を見ていくと、家族3人仲良くプールに入っている写真が見開きで大きくレイアウトされている。とてもいい写真に見えたが、「これ、かみさんに怒られるかなあ……なんで私がこんなに大きいのよって」と編集部・大谷。

 「それなら、優先順位を変えてみましょう」と、位下さんがアドバイスをくれた。「イヤーアルバムは、最も多く写っている人物を自動的に『主人公』として認識し、優先的に並べてくれます。さらに画像が自動選択される際の優先度を高くしたい人物を自由に設定できるんです」

 そこで「主人公設定」ボタンを押してみる。

アルバムの主人公と、その他に優先する人を選ぶことができる
アルバムの主人公と、その他に優先する人を選ぶことができる

 画面のように「主人公」は娘さん、「優先する人」は父親だけにチェックを付け、奥さんのチェックは外した。すると、自動的にアルバムのレイアウトが変わり、先ほどの3人の写真は小さなスペースに移動。父子2人だけの写真が大きく配置された。

 「画像は、優先順位を高く設定した人物の写りがいいものが優先して選ばれます。“写りがいい”とは、正面を向いているか、ピントや明るさが適度かなどが基準になります」(位下さん)

 これなら、子どもを主役にしたアルバムが手間なく作れるわけだ。兄弟それぞれを主役にしたアルバムを作ってもいいかもしれない。ここまで14分ほどかかった。

 実際、イヤーアルバムが自動的に作ったレイアウトは基本的にかなり完成度が高いと感じた。最低限必要なのは、先ほどのように「この写真は大きく載せたくない」などのチェックだけ。基本的にはあまりいじらず、バランスよく配置されたレイアウトで注文するのがよさそうだ。パソコンで注文する際のように写真に角度を付ける機能などはないが、自由度が低い分、割り切ってスピーディーに作れるのが店頭のいいところなのだから。

 写真の確認が済んだら、表紙のデザインを選び、タイトルを入力して端末での操作は完了だ。ここまでで大体45分ほどかかった。一通りの形が出来上がった後も、色々質問したり試したりしたので、実際は30分程度でできただろう。30分なら子ども連れでもギリギリがまんできる時間内といったところだ。

 最後に、印字された注文票を持ってレジで受け付けする。ここはパソコンでの作業とは異なる。操作が終わってほっとするのか、意外に忘れる人がいるそうなので注意しよう。注文してから7営業日ほどで出来上がり、店頭で受け取る際に支払いを行う。

ズボラな人ほど向いている?! 

 写真を持ち込むに当たっては一つ注意点がある。

 「イヤーアルバムで使う画像データは日付の情報があることが前提になっています。日付情報がない画像は読み込みに失敗してしまうか、読み込めても『日付不明画像』という扱いになります。その場合は、真っ白なページに手動で配置する手間がかかってしまいます。巻末のインデックスや表紙にも配置できません」(藤巻さん)

 例えばFacebook上に公開されている写真を使うと、プライバシー保護のためEXIF(撮影日時や撮影場所などの情報)が消されており、アルバム作成がうまくいかないそうなので注意しよう。

 この話を聞く限りでは、スマートフォンやデジカメで撮ったら撮りっぱなし、SDカードに入れっぱなしという人のほうがスムーズに読み込めそうだ。このシステム、ズボラな人ほど向いている気がした。