焦ると見落としがちなポイントも分かりやすく

 子どもの場合は病気よりもけがを負うことのほうが多いかもしれません。最近では電気を使った調理器具も普及したため危険性が減ったものの、逆に“不慣れなけが”になったとも言える、やけどのような外傷の対処法も、「けが・事故の応急手当」からケースごとに調べることができます。たとえ軽度のやけどに対する処置であっても、衣類がくっついている場合は脱がさずその上から流水で冷やす――といったように、焦っていると忘れがちなポイントがきちんと押さえられています。

「けが・事故の応急手当」で「熱傷(やけど)をした」を選んでみた
「けが・事故の応急手当」で「熱傷(やけど)をした」を選んでみた

 こうした日常生活で遭遇する確率が高い症状のほかに、「心肺蘇生法」や「止血法」については独立した項目が設けられています。映画やドラマでリズミカルに胸を押し下げるシーンを目にしたことがあるでしょう。実際にはいきなり胸部を圧迫するのではなく、その前に意識の確認や気道の確保といった手順を踏む必要がありますが、各手順の方法がイラスト入りで解説されており、あらかじめ目を通しておくことで予備知識として身につけておくことが可能です。また、乳幼児に心肺蘇生法を施す場合は骨や内臓を大きく傷つけないように大人とは違った圧迫の仕方になりますが、各年代に応じた方法もイラストでチェックすることできます。

「心肺蘇生法」で「胸骨圧迫」の項目を開いたところ
「心肺蘇生法」で「胸骨圧迫」の項目を開いたところ

日ごろから読んでおきたい「緊急」アプリ

 このアプリは緊急時に備えるためのものですが、日ごろからちょっとずつでも目を通しておくことが肝心です。

 先日、俳優のクリント・イーストウッドが、患者の背後に回り腹部を圧迫して異物をはき出させる“ハイムリック法”という処置で、パーティに同席した人を窒息死から救ったことが報じられましたが、これも知識があってこそなし得たこと。

 家族のためだけでなく、外出先や職場などで事故に遭遇したときにも冷静に対処できるように、スマホにインストールしておくことをオススメします。

(文・写真/松村武宏)