新制度により、学童保育はレベルアップする
―― 学童保育の体制が変わると耳にしたのですが……。
普光院 その通りです。保育園と違って、学童保育については、これまで国の基準が存在していませんでした。そこで、2015年度の子ども・子育て新制度の開始に伴って、国が基準を決めることになりました。検討委員会の報告によると、以下のような点が改善される予定です。
ただし、都市部では学童保育の待機児童も発生しているため、一定の時間をかけながら改善していくことも考えられているようです。
都市部を中心に学童保育・待機児童がいる。その数、8689人
―― 学童保育にも待機児童がいるんですね?
普光院 学童保育の待機児童は全国で8689人(平成25年度)です。保育園の2万2741人よりは、だいぶ少ないですね。
ただ、都心部などでは、「全児童対策」という定員を設けない放課後事業や商業的な放課後サービスなどの受け皿があったり、子どもが家で留守番する家庭もあったりすることが考えられ、本当の潜在待機児童数はもっと多いのではないかとも言われています。
学童保育が不足している地域では、家から遠い学童保育施設でなければ入れなかったり、小学1年生が優先されるために3年生が押し出されてしまったりします。1年生でも待機児童になってしまうことがあります。
―― 学童保育施設に入れなかった場合はどうすればいいのでしょう?
普光院 次のような手立てを考える必要が生じます。
2~4は、夏休みなどの長期休暇中が悩ましいですね。⑤⑥は相当にお金がかかることを覚悟しなくてはなりません(後述)。
子どもは、時が経つごとに自立していき、長時間の留守番も平気になり、毎日違う場所に通うことにも不安はなくなっていきますが、低学年では「まだ心配だ」と感じる親は多いでしょう。子どもの性格、親の人間関係、地域の子ども向け施設の状況によっても解決策は違ってきますので、いろいろな可能性を探る必要があります。とにかく、自治体には、なんとかして安心できる学童保育を増やしてもらわなくてはなりません。