書写は、2学年上の教科書を活用すると、読解力も身につき、一石二鳥です。書写の際に、しっかり読めている子どもは、文節1つ、2つを頭の中に記憶してから書くので、覚えた部分の文字は縦に揃います。ところが、1語1語、1音1音ずつ記憶しながら書く子どもは、縦の文字を揃えて書くことができません。そういった場合には、書写が効果的です。

 ノート2~3冊を書き終える頃には、文字を縦に揃えて書けるようになっています。意味のまとまりを記憶してから書いている証拠です。

 書くという作業は、他者への伝達手段、自分への確認、思考のきっかけになります。また、それだけではなくて、自分の頭の中に内容を一時的に保管する役割を鍛えることにもつながるのです。

「数のユニットの感覚」は受験勉強の効率にも大きくかかわる

■「そろばん」

 そろばん=計算力です。まず、基本的な「数のユニットの感覚」を鍛えていきましょう。

 はじめは、10進法をマスターさせます。

・この数字を足すと10よりいくつ増えるのか。
・この数字に何を足したら10になるのか。

 「10にするにはどうしたらよいか」という計算をたくさんやらせてください。

 10をユニットにする数字の感覚ができたら、15のユニット、25のユニットも練習しましょう。15のユニットの感覚は時計算に、25のユニットの感覚は100を基本にした場合によく使います。これらを、正確に、素早くやれるようになると、受験勉強の効率にも大きくかかわってきます。

 「百ます計算」は、この時期の訓練として大変すばらしいものだと思います。ただ、やらせっぱなしではなく、時にはどのように考えて計算しているのかを見てあげてほしいのです。

 たとえば、17+5のときに、18・19・20・21・22と数える子どもが少なからずいるのですが、これでは効果がありません。17から20にするには、あと3あればよい。だから、5から3もらってきて、残りが2だから…というような考え方を教えてあげてください。

 足し算・引き算・かけ算・割り算などの計算は、小学範囲でいえば、2学年程度先をやらせても構いません。