だから親のほうも、過剰反応せずに、ただしとにかくあっさり「初回」に見破って、「あぁ答えを写しちゃったんだね。これじゃ勉強にならないから写した時間がもったいないね」と事実の指摘をするのがお勧めです。

 ところで、子どもが丸写ししたら、当然親ならわかりますよね? ふだんと違ってまったく間違えてないとか、字の勢いが違うとか(考え考えしないでさっさか写しているから)、途中の跡がないとか、おそらくですが初回から親にわかる手がかりなしでやってのける子はいないと思います。そもそもそんな、自分のためにならない幼稚な発想をするタイプなのですから。

 そういう意味でもやはり、毎日見ているのが重要なところなんです。さらっとでも、毎日の課題の実施状況をチェックしていること。早期発見、早期対処です。

 勉強をしないで楽しく遊んでいたなら、その時間は無駄にはなってないともいえますが、答えの丸写しをしていたのでは誰も幸せになりません。さすがにそんな行為より、ちゃんと勉強をするほうがずっと気分がいいと本人が思えばこの話はおしまいです。

 ではどうすればそう思うようになれるのか? といえば、ここは「受験勉強のやる気は勉強から生まれる」で説明した原則の登場です。

 日々、丸写しでなくきちんと課題を片付けるという実績を積むことで、勉強をする行為の価値が上がり、相対的に、丸写しに魅力がなくなるんです。

取り組みやすい課題から「実績」を積む

 その実績をどう積むかというと、まず重要な点は、本人にとってあまり敷居の高くない、取り組みやすい課題にするということ。それと、「猫を追うより皿を引け」のことわざにあるように、解答を撤去することです。