羽生 歌手、パーソナリティー、そして小学5年の男の子と、小2の女の子のママとして、現役ワーキングマザーの久宝さん。パパとママの役割分担はどうされているんですか?
久宝 父親は子どもたちにとって怖い存在ですね。特に長男にはビシッと言うことも多いですし。
羽生 その役割は意識して?
久宝 自然と、です。基本ルールとしては、どちらかが子どもに怒っているその場で口を出さず黙っているということは決めています。子どもたちには夫婦同じ考えだと思わせないと、混乱してしまうので。夫婦2人になった時に、「あの叱り方は違うんじゃない?」と言い合うことはありますけどね(笑)。
同じ職種夫婦だからこその気配りとは
羽生 久宝さんのところは、夫婦で同じ仕事をしています。仕事においても、夫の仕事内容にはあまり口を出さない?
久宝 例えば、夫が曲を作っているとき、「どっちのメロディーラインがいいかな?」とか聞かれると、良いと思ったほうを言いますね。ただ、求められたら言いますが、聞かれないときは何も言わないようにしています。
羽生 言いたくなるときはないんですか?
久宝 ぐっとこらえて(笑)。逆の立場で考えたら、自分で完璧だと自信のあるときは人に聞かないし、逆に不安や心配だったら聞いていますからね。そこは、夫婦でも気配りだと思っています。
全体的に、夫にあまり根掘り葉掘り聞かないですね。「何時に帰ってくるの?」「どこにいるの?」とか。ミックスだとかレコーディングだとか、時間が不規則な仕事だし仕事にも集中したいだろうから。
羽生 お子さんから、「パパ早く帰ってきてー!」と言うことはない?
久宝 ないですね。「今夜パパは仕事? 忙しいんだね」と、子どもなりに分かっている感じ。逆に、私がちょっと遅くなると、不安になる部分はあるかもしれない。
私自身も、子どもが風邪をひいたりしているときは特に、自分の仕事も手につかなくなっちゃう。できるだけ早く帰るようにしていますし、仕事の合間に「どう?」って子どもに電話しちゃったり。そうやって、子育てと仕事にきっちり線引きできない点は母親ならではですよね。男性は、一歩外に出ると、仕事と家庭をパッと切り替えられるところがあると思う。
女性はどうしても生活と切り離せない。働く女性にとっては、二律背反の感情の間で苦しむと思います。幸い、わが家は歩いて行ける距離に義父と義母が住んでいますから、私が居ないときも、おじいちゃんかおばあちゃんか、誰か大人が家に居るようにはできるんですが。