関東と関西では子どもの友たちとの距離感が違う?

羽生 久宝さんは兵庫県神戸市生まれ。高校卒業までずっと神戸で育ち、卒業後上京されました。ご主人も兵庫県生まれということで、関西と関東における子育ての違いで何か感じることはあります?

久宝 子どもの友だちに対する、フレンドリーさというか距離感がちょっと違うかな。

 関西のお母さんはね、子どもとその友達が家に遊びに来て、子ども部屋で遊んでいたとしても、その場からなかなか離れない。お菓子とお茶を出してそのまま居座る‟オカン“がけっこう多い。それで息子の友人に、「あんたは誰が気になってんの?」「学校どう?」とかいろんなことを聞いちゃう(笑)。対して、東京のお母さんはお菓子とお茶を出したら「あとは子どもたちだけで…」とすぐに引っ込むパターンがほとんどだと思う。

羽生 関西ママは、親戚のおばちゃんみたいな身近さがあるんですね。

久宝 そうそう。学校のことや恋愛のことなど、何でも聞きたがる(笑)。私は特に、関西の中でも下町気質の場所で育ったから、フレンドリーな母親が多かったんです。だから、私自身も‟関西のオカン“になっていますね。自宅の前で子どもたちが遊んでいると、掃き掃除しつつ、つい声かけちゃう。

羽生 それは5年生の息子さんのお友だちに? 小学校高学年にもなると、積極的に大人と話そうとしないんじゃないです?

久宝 すごくかわいいですよ。話をすると照れたりする年ごろになってくるから、「誰が好きなの?」って聞くと、「僕はあんまりそんなのは…」とかモゴモゴして。私が、「そっか、〇〇君は硬派だもんね!」とか言うと、「硬派ってどういう意味ですか?」と聞いてきたりして。硬派って意味をまだ知らないんだなとか、小さな発見もあるんですよ。

羽生 中には、身体も大きくてヤンチャな子もいません?

久宝 ヤンチャとされている子ほど、私にはかわいくって。ついついしゃべりかけてしまう。私「担任の先生どう?」、子ども「可もなく不可もなく、かな」、私「いいところ突いているね」とか、普通の会話をしていますよ。だからか、参観日や何かで学校へ行くと子どもたちから声をかけてくれますね。

子ども同士の約束はなるべく子どもにやらせる

羽生 読者であるワーキングママの間で共感する声が多いのは、「子ども同士をアポなしで遊ばせたい」ってことなんです。昔と比べて今は子どもにとって、パーッと遊びに行けない危険さもあるから仕方ないところはあるのですが、最近、特に礼儀を大切にして、子どもをお客様扱いするというか。「来週土曜日、〇〇ちゃんと2時に待ち合わせしていいでしょうか?」とママ同士が、まるで仕事の延長のように子ども同士の遊ぶ約束をする。毎週毎週そんなことをしていられないし、親たちはなんとかアポなしで遊ばせたいって思っているんです。

久宝 うちの場合は、子どもが直接インターホンを押して遊びに来ますよ。