羽生 久宝さんとご主人との、具体的に家事育児の分担の割合は?

久宝 9:1で、私が多くやっていますよ。

羽生 やっぱり女性がやることになりますかね。

久宝 夫にもやってもらうほうが、もちろんいいんです。ただうちの場合は、定時に始まって終わる仕事ではないから、ルールを作ってもうまくいかないんですよね。幼稚園の送り迎えだったら、行きはパパが送って、帰りはママが迎えに行くなど、うまく分担されているおうちもありますが、うちは決めてもできないから。文句は言いますけどね、「洗濯機を回すぐらいはできるでしょ」とか。

夫婦の分担は各家庭でベストがある

羽生 久宝さんのお宅では、9:1がベストバランス?

久宝 ベストなのかは分からないけれど。ただ、心の分担はできていると思います。

 うちの夫は、私の話をよく聞いてくれる。子どもについて相談して、「知らないよ」「それはお前がうまく立ち振る舞えよ」みたいな言葉は一切出てきません。どんなに疲れていても、学校であったことや、子どものことで悩んでいることを聞いてくれる。女性って聞いてくれるだけでよかったりしません? いざってときは怒ってもくれます。これはすごく私の精神の安定になっています。だから、実質的な分担は、9:1かもしれないけれど、頼りになるし、それでうまく回っていると思っています。

羽生 各家庭によって、ベストバランスってありますよね。うちの家の場合は、6:4で私が6ぐらいやっていますが、夫が仕事を辞めていた時期は0:10で夫が家のことをすべて担っていましたから。ぴったり5:5がいいわけでは、決してないと私も思います。

久宝 2人が納得できていれば、いいですよね。

羽生 具体的なことはママがやっていても、実はパパに支えてもらっているとか。もちろん収入面での支えもあると思います。

久宝 きっちりしたマニュアルに、あまりこだわらなくてもいいですよね。向き不向きもありますし、分担するにも得意なほうがやるほうがいい。

 たとえば、幼稚園の送り迎え。うちは幼稚園バスを使っていたのですが、送り迎えをするのはだいたいがママ。そのママの中に入れる男性とそうでない男性がいる。うちのパパはダメなんですよね。私ができないときはやってもらうけど、「俺、やっぱ苦手やわ~」と必ず言いながら帰ってくる(笑)。苦手なことを無理やりやってもらうのはかわいそう。

羽生 パパの得意分野は?

久宝 …うーん。つまらないオヤジギャグを言って場を和ませてくれることかなぁ(笑)。

羽生 いいですね。どうしてもママのほうが、真面目にきっちりやりがちだから、そこに風穴を開けてくれる存在は大事。特に息子さんにとっては、うれしいんですよね。