お金の運用もマメなケアが大事

 ここまでは老後資産を安定的に増やすため、タイミングと資産を分散しながら投資することが大切だと述べたが、重要なポイントはもう1つ。それは「投資している資産の価格変動リスクが高まりすぎないよう、定期的に配分調整(リバランス)を行うこと」だ(小松原氏)。

 初めは国内外の株式と債券の4資産に25%ずつ均等に投資していても、2013年に見られたアベノミクス相場のような株価上昇が続くと、結果的に全体に占める株式の比率が高まることになる。すると当初よりも価格変動リスクが高まり、株価下落時にはダメージが大きくなってしまうが、これを避けるのが配分調整の目的だ。この作業をすることで、大きな損失は避け、安定的な収益を狙う運用が実現できる。

 投資資産も健康状態と同様、取り返しのつかないことにならないよう、日頃からのマメなケアが欠かせない。「年に一度、自分の誕生日に」「株式比率が○%以上上昇したら見直しする」など、やりやすい方法を決め、配分調整を実行していこう。

プロにすべてお任せできるサービスも

 こうしたメンテナンスをする時間的余裕がない場合は、メンテナンス自体を専門家に任せる「ファンドラップ」という方法もある。ファンドラップとは、専門家に助言をもらいながら投資方針を決め、その後の商品選択、運用や配分調整などは全て専門家に任せられるというサービスだ。もちろんそのための手数料は必要だが、共働きなどで資産管理の時間が取りにくい投資家には選択肢の1つになる。自分で投資判断や管理をするのが苦手という人にも向いている。

 大和証券「ダイワファンドラップ」は、利用者の希望する運用スタイルに応じて、きめ細かい運用の配分調整が可能。期待する収益率は何%で、運用リスクはどの程度とっても大丈夫か、などの事前ヒアリングにより、100パターン以上もの多様なメニューの中から最適な運用方法を提示してもらえる。サービスを利用するには300万円以上の資金からとなるが、まずは積み立てで資金をつくってから、第2ステップの預け先として検討してみるのもいいだろう。

■大和証券
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