投資信託なら1000円からでもスタートできる

 実際に、各資産にどれだけの配分で投資すればよいかは、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンが提供するモデルポートフォリオ図:2を参考にしてほしい。このモデルプランでは、運用にかかる費用(投資信託などでかかる信託報酬など)が投資資金の1%分差し引かれることを前提にして、実質的な期待収益率(目標運用率)がA:1%となる低リスクコース、B:3%となる中リスクコース、C:5%となる高リスクコースの3つのコースがある。

 高い収益を狙うほど株式比率は高めないとならないが、その分価格変動リスクも高まることは覚悟する必要がある。あまりリスクを取りたくなければ、株式比率が低いコースが安心だ。それぞれどのコースの運用が適しているかは、前回掲示した「60歳までに3000万円ためるために月々必要な積立額」の表中の積立予算も参考にしながら考えてみるといいだろう。

 具体的にどの商品で運用するかの選択肢はさまざまだ。国内外の株式や債券など、複数の資産に分散投資するなら、1万円程度の小口の資金で購入できる投資信託が便利。毎月自動で一定額の投資信託を買い付けできるサービスもあるが、大和証券なら月々1000円からの積み立てができる。少額から気軽に始められるのが魅力だ。

 株式の場合、気に入った会社があれば、個別銘柄を選んで投資するのもよい。ただしリスクを分散させるため、できるだけ違う値動きが期待できる複数の銘柄に投資するのが理想だ。株式投資では、銘柄ごとに「単元株」と呼ばれる取引時の単位が決まっており、1銘柄あたり数十万円の資金が必要になることもある。だが、大和証券をはじめとし、いくつかの証券会社では、月々1万円から株式を積み立てて購入できるサービス「るいとう(株式累積投資)」を提供している。「るいとう」を利用すれば、毎月少額ずつ複数の銘柄に投資するのも可能だ。このほか特定の銘柄に関しては、「ミニ株」という単元株の1/10単位で株式を買い付けできるサービスを使う方法もある。