短縮された時間に対する給料は、法律では保障されない

 では、給料はどうなるのでしょう。「改正育児・介護休業法」では、短縮された時間に対する賃金の保障までは求めていません。このため、働いていない分は払わない会社が多いと言われています。賞与の算定や退職金の勤続勤務年数の算定についても、時短勤務によって働かなかった時間や日数部分を差し引くことは不利益な取り扱いには当たらないと考えられています。

 社会保険料(年金保険料)はどうなるのでしょう。企業独自の判断で設けた時短勤務では給与が減った場合、年金保険料も下がり、将来の年金受給額が減ってしまいます。しかし、改正育児・介護休業法に基づく時短勤務では、給与が減る前の金額を基に保険料を払っているものと見なして、将来の年金受給額が減らない特例措置があります。

 改正育児・介護休業法に基づく時短勤務を利用して給与(標準報酬月額)が24万円から22万円に下がった場合、厚生年金保険料は2万544円から1万8832円に下がります。その分、年金受給額も減ってしまいます。改正育児・介護休業法に基づく時短勤務では、実際に払う保険料が1万8832円であっても2万544円払ったと見なされるので、年金受給額が減ることはありません。

 この特例措置は2年前まで遡って申請できるので、会社を通じて年金事務所に手続きしてください。

 改正育児・介護休業法では、
(1)短時間勤務制度……短時間勤務(1日6時間)ができる制度
(2)所定外労働の制限……残業が免除される制度
(3)介護休暇……介護の必要がある日について仕事を休める制度
の3つの制度を導入することが事業主の義務になっています。

ポイント
・子どもが3歳になるまで1日、原則6時間の短時間勤務をすることができる
・短縮された時間の賃金は法律では保証されず、支払われないことが多い

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