夫のアトコメ

 ま、子育ての方針については仰せの通り。野放し。否定するつもりはございません。

 虎蔵(仮)が犬(ミニチュアダックス)の寝込みを襲って逆襲された。指先、噛まれた。ちょっとした流血。ヨメ、真っ青。わたし、ニヤリ。「これで学習しろよ」。そら、シェパードやドーベルマンに噛まれたんなら狼狽もしますけど。

 面白いのは、二女として生まれたヨメは本人曰く放ったらかされて育ち、長男たるわたしは相当に手を掛けられていた、ということである。ヨメにはお嬢様、お坊っちゃまへの、こちらにはワイルドで生命力溢れる次男坊に対する憧れがあった、ということなのだろうか。無い物ねだりってやつで。

 公園デビュー。思い出したのは、ガーナでサッカーを取材したときのこと。黒人の中にぽつりと黄色人種。猛烈な違和感と突出感。突き刺さる周囲からの視線。砂場の中に突進していくのは、ちょっとそれに似たところもあった。

 なので、無神経に見えて気は使ってる。虎蔵(仮)が他のお母さんやおこちゃまのところに突進した。「あら~(笑顔)」という反応ならば放っておく。「は?」みたいなリアクションだったらすぐさま「あ、すいません」と抱きかかえて退散する。

 幸い、これまでのところ後者のような反応に出くわしたことは一度もない。てか、砂場で突然よそのおこちゃまからハグッてされたら、たいがい嬉しくないっスか?……という思考回路が、ヨメからすれば無神経だってことになるんだろうけど。

私が一緒にいると、超の付く甘えっ子になる。夫と2人きりだと野生児になる
私が一緒にいると、超の付く甘えっ子になる。夫と2人きりだと野生児になる