とかく子育ての真っ只中にいるときは目先の生活に追われがちで、明日わが身にどんな悩みが降りかかるのか、先のことなど考えられないもの。

 「両立生活、本当に長く続けられるの?」「今の私のキャリア・職場問題、どう考えたらいい?」「忙しい親のもとで子どもはどう育つ?」など、渦中にいるからこそ尽きないママ達の悩みや不安があります。そんな悩みに答えるべく、「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんが2013年夏に開催した、「ロングラン会社員ママ 子育てと仕事を語る ~山あり谷ありの過去、現在、そして未来~」。

 ロングランの会社員ママが、保育園・学齢期の子育て、職場での奮闘、キャリアの紆余曲折について言葉を尽くし、話してくれました。珠玉の名言・アドバイスに満ち満ちた3人のキャリアヒストリーをダイジェストでレポートします。

必死でメモをとる参加者の姿も。男性の参加者も真剣に聞き入る
必死でメモをとる参加者の姿も。男性の参加者も真剣に聞き入る

~辞めろと言われるまでは、辞めない~

CASE1:Iさん

 「子どもは嫌いだったのに35歳で初産の後、赤ちゃんの可愛さに目覚めてしまい、三児の母になってしまいました」とはにかむIさん。27歳で大学院を卒業後、就職した会社の男女格差に嫌気が差して転職。以後、現在の技術系コンサルタント会社に22年間勤続してきました。

 いまでこそワークライフバランスを掲げ、20代の女性社員が育児休暇を取り、時短で働くことが当たり前になった。しかしIさんが出産した当時の1990年代は、子どもを持つ女子社員はほとんどいませんでした。

 「子育ても仕事もなんて贅沢だ」と男性の先輩の厳しさ、技術士の資格を取得後、管理職になっても「残業できないってことは部下とのコミュニケーションができないってことだよね?」という男社会の理不尽さに悩み、何人もの女子社員の退職に悔し涙を流した経験も。それでもIさんが辞めなかったのは「Iさんがいたから続けてこられた」という同じ女子社員の言葉があったから。

 「出産後は“仕事の最前線から降りる人生”を許容せざるを得ませんでした。ただ、給与やランクが下がっても辞めろと言われたわけじゃないという開き直りもときには必要ですね。辞めないことに意義があるんだ、と続けてきたからこその恩恵もあります。今は同僚の仲間が皆、要職に就いており、何かプロジェクトを始動するにも話が早い。長く続けていくってこういうことなんですよ。このポジションを活かして、もう少し仕事を楽しもうと思います」。

 そう語るIさんの目下の悩みは家事の負担が、夫:自分=8:2になっていること。とはいえ、産休・育休の計2年間のIさんのキャリアのブランクを思えば、「貸しの貯金はまだ少し残っているかな(笑)」とも。

 キャリアと折り合いをつけ「降りる人生」を許容することの難しさ、悔しさ。それでも支えてくれる人があって続けられるありがたさも知る仕事人生です。まさに山あり、谷あり。それを楽しめるかどうかがポイントだということです。

次ページから読める内容

  • ~頑張る母の姿を子どもは必ず見ていてくれる~
  • ~社内外に7人の味方を作った。上司の妻もそのひとり~

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