ママ予備軍:「あの・・・子供が可愛くて、もっと一緒にいたいと思うことはないですか」

働くママA:――「私の場合は、仕事と育児が忙しかった時にそんなことを考えている暇はなかったです(笑)。ただ、がむしゃらに働いてきて、気がついたら子供も成長していた感じかな…」

働くママB:――「先輩ママからよく聞くのは、『過ごす時間の長さじゃなくて密度だ』って。私もそう思うし、わが家は寝る前には必ず本を3冊娘に読むと決めて、子どもとの時間を大切にしています」

働くママC:――「復帰してすぐは『保育園に入れて可哀想』って、必ず周囲から言われるの!その瞬間は辛い気持ちになるけれど、自分で選んだ道なら自信を持ってやっていけばいいよってこれからママになる人には伝えたいな

 ママ予備軍の質問も続きます。

 「私は母が200%育児、父は仕事一本、という家で育ちました。仕事をしながら育児をするイメージが持てない。育児しながら子育てするのは大変ですか」

 「仕事で充実感を感じるときはどんな時ですか」

 「私は『ママみたいになるのが幸せよ』と専業主婦の母に言われて育ったのだけど、私は仕事をすることが楽しいし、続けたいんです…」

 ママ予備軍の彼女たちがぶつける質問は子育てに絡んだ話だけでなく、女性として働き続けることへの悩みや不安など、幅広いもの。企業で勤続年数10年以上という働くママから、転職を繰り返してきたという人、子供服のリサイクルを起業したという人やフリーランスの人まで、業種や職種、働き方もさまざまな先輩たちが真摯に向き合って回答してくれます。そんなワ―ママたちに共通しているのが、みんな「仕事が好き」だという点です。

 例えば、長女を出産後、5カ月で職場復帰したという、玩具メーカーに勤める女性がこう語っていました。「私、仕事が大好きなんです! 出産した直後は、ママ=育児という世間の風潮に呑まれそうになって、自分のスタイルを見失いそうになりましたけどね…」。第二子の出産についても「二人目、欲しい! でもそういうときに限って、自分の企画が通って仕事をつい頑張ってしまうの」

 すると、「分かる、分かる!」と隣のワ―ママが相槌。この会の魅力は、先輩と後輩の上下関係だけでなく、リアルな本音と経験をぶつけ合うことで生まれる、横のママ同士のつながりです。会の中盤では、著書『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)で有名な産婦人科医の宋美玄(そん・みひょん)さんも登場しました。「出産は医学的には20代後半が一番良いんですよね。だけど、これはキャリア形成の大切な時期とかぶっていますよね。私の場合は、この適齢期を大分過ぎた、いわゆる“高齢出産”でしたが、これも良かったなと思っています。二人目、三人目だって…詰めて産んだら間に合うかな」(笑)。宋さんの言葉に大きくうなずき、ユーモアを交えながら、自らの出産・育児・両立経験を後輩たちに熱く語るママたちの表情も印象的でした。