持ち物が大量!手強い保育園かばん

 保育園には、ただ子どもを連れていって預ければいいのではない。その日一日、子どもが園で過ごすのに必要なものを、各家庭でそろえる必要があるのだ。これが実に細かくて、親を弱らせる。

 保育園によって持ち物は異なるが、まず子どもの服や下着が汚れたらすぐに替えられるように、着替えやオムツ、汚れ物を入れるビニール袋がいる。ほかにも昼寝用のパジャマ、シーツやタオル、食事をする時のエプロン、フォーク・スプーン、歯ブラシ・コップなど、大量の持ち物がある。それらを準備してかばんに入れるのも容易ではない。

 日々の子どもの様子や連絡事項を、担任の先生とやりとりするための日誌(連絡ノート)も大切だ。橘さんは毎朝、日誌に娘が食べた朝食の内容や体温を記入する作業に苦心している。

 「毎日、子どもの熱を測るのがひと苦労なんですよ。嫌がって測らせてくれない。どうしても時間がなくて、適当に書いて出しちゃうこともありますけれど」

 子どもは、いつでも親の思うとおりに、パッパッと動いてくれるわけではない。ご飯を食べればこぼし、着替えるのが嫌だと泣き、出かけようと思ったらオムツが濡れていたりして、準備に思いのほか時間がかかる。

 「これまでずっと自分のことだけをして、好き勝手に生きてきたわけじゃないですか。そんな男がふたり分、しかもこまごまと準備するのって、けっこう大変なんです!」

 子どもが生まれ、妻が再び働き始めると、夫の生活パターンは劇的に変わる。しかし、男親が準備しているからといって、忘れ物などで娘に恥をかかせたり、不自由な思いをさせるわけにはいかない。

 眠くても忙しくても、子どものことを思うとパワーが湧いてくるのだから、不思議だ。

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