「スマート化」や「相続税対策」も気になるポイント
近年の住宅はIT技術を活用したスマート化の動きが強まっている。HEMS(ヘムス、Home Energy Management Systemの略)を導入し、家の中のエネルギー消費を「見える化」して制御するといった技術が一例だ。DUAL世代の家づくりでも、そうした先端技術に注目していく必要がありそうだ。
「エネルギーや光熱費の出入りなど、暮らしを知ることで自分たちの住まいを運営する作戦を練ることができます。共働きで日中留守にしていても、住宅が太陽光が発電して働いてくれます。また今後はHEMSを活用した生活関連情報の提供のほか、戸締まりや掃除ロボットの操作といった技術や、買い物、家事サービスに簡単にアクセスするといったサービス系の技術のメニューも増え、生活がより便利になっていくことが予測されます」
もっと近い将来に目を転じると、いよいよ来年(2015年)から相続税の増税がスタートする。基礎控除の額が引き下げられることで、より多くの人が課税対象になるとされており、これから家を持つDUAL世代にも気になる話題だろう。
「相続税というと今までは一部の資産家だけの話と考えられてきましたが、今後は一般の人でも対策に迫られるでしょう。建てた家に誰と住むのか、誰に引き継ぐのかといった先々のことも、当初からきちんと考えておくことが望まれます。家族構成も多様化していますが、場合によっては親や兄弟など多世代で同居したり、賃貸住宅や店舗を併用するといった多機能住宅の選択も視野に入れる必要がありそうです」
DUAL世代が家をつくるときに、考えるべきポイントは少なくないようだ。次回以降は河崎氏に伺いながら、さらに詳しく掘り下げていくことにしたい。
(文/大森広司、写真/菅野勝男)
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