「スマート化」や「相続税対策」も気になるポイント

 近年の住宅はIT技術を活用したスマート化の動きが強まっている。HEMS(ヘムス、Home Energy Management Systemの略)を導入し、家の中のエネルギー消費を「見える化」して制御するといった技術が一例だ。DUAL世代の家づくりでも、そうした先端技術に注目していく必要がありそうだ。

 「エネルギーや光熱費の出入りなど、暮らしを知ることで自分たちの住まいを運営する作戦を練ることができます。共働きで日中留守にしていても、住宅が太陽光が発電して働いてくれます。また今後はHEMSを活用した生活関連情報の提供のほか、戸締まりや掃除ロボットの操作といった技術や、買い物、家事サービスに簡単にアクセスするといったサービス系の技術のメニューも増え、生活がより便利になっていくことが予測されます」

 もっと近い将来に目を転じると、いよいよ来年(2015年)から相続税の増税がスタートする。基礎控除の額が引き下げられることで、より多くの人が課税対象になるとされており、これから家を持つDUAL世代にも気になる話題だろう。

 「相続税というと今までは一部の資産家だけの話と考えられてきましたが、今後は一般の人でも対策に迫られるでしょう。建てた家に誰と住むのか、誰に引き継ぐのかといった先々のことも、当初からきちんと考えておくことが望まれます。家族構成も多様化していますが、場合によっては親や兄弟など多世代で同居したり、賃貸住宅や店舗を併用するといった多機能住宅の選択も視野に入れる必要がありそうです」

 DUAL世代が家をつくるときに、考えるべきポイントは少なくないようだ。次回以降は河崎氏に伺いながら、さらに詳しく掘り下げていくことにしたい。

洗濯物に花粉をつけないコツとは?

<a href="http://www.sekisuihouse.co.jp/liaison/27/2022440030/" target="_blank">積水ハウスのモデルルーム</a>で見られる洗濯室。こうした専用スペースを持てば花粉対策にもなる
積水ハウスのモデルルームで見られる洗濯室。こうした専用スペースを持てば花粉対策にもなる

 これからの季節は花粉が気になるシーズン。注意したいのが、外で干した洗濯物を取り込むときに、一緒に花粉まで家の中に入れてしまうこと。この季節は仕方なく洗濯物を室内で干すという人も少なくないだろう。でも、リビングなどに洗濯物が干してあると見た目がよくないし、衣類などがよく乾かずに臭いの原因になることもある。

 そこで検討したいのが、室内の洗濯家事専用スペースの確保だ。洗濯機を置くスペースに物干しと収納を設置することで、「洗う、干す、たたんでしまう」という一連の家事を効率よくこなせる。換気扇や除湿器を併用すれば、夜の室内干しでも洗濯物が乾きやすい。換気扇に花粉フィルターを付けたり、空気清浄機能付きの除湿器を設置すれば花粉対策もOK。住まいづくりの際の希望条件に加えてみてはいかがだろう。

(文/大森広司、写真/菅野勝男)

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