【法則4】動線や空間を変えれば、支度に慌てなくて済む

 最後は、皆さんがいつでも取り入れることのできる身支度の工夫です。

 調査によると、共働き世帯は「自分の部屋に戻って着替えるのが面倒」という人が約6割。片働き世帯に比べて約1割も多いことが判明しました。

 服部さんは、「働いている方は普段着と仕事着が違う人が多く、着替えるのがより面倒に感じるようです。時間に追われているため、帰宅したらすぐに家事をしなければいけない、という焦りもあるのかもしれません」と説明します。

自分の部屋に戻って着替えるのが面倒
自分の部屋に戻って着替えるのが面倒
「共働き世帯の生活実態調査」(2018)積水ハウス調べ

 そこで、朝の支度や帰宅時の着替えをスムーズにできるような動線を作るのにおすすめなのが『チェンジングルーム』です。

 「家族それぞれの外出着や鞄、腕時計などの小物、部屋着が置ける棚やハンガーパイプを設置して指定席を作れば、リビングが散らかることもありません。その際、扉をつけるのではなく、オープンで置きやすい棚にするのがポイント。玄関に隣接したシュークロタイプ、またはリビングに隣接したリビクロタイプをおすすめしています」(服部さん)

 慌ただしい朝を快適に過ごすためのポイントはサニタリーにあるといいます。問屋町テラス展示場にあるサニタリールームに入ると、まるでホテルのような空間です。

2人でも使える広さが確保され、リラックスできるサニタリー空間。「広い方が椅子も置きやすく、座って身支度することも可能」と河崎さん
2人でも使える広さが確保され、リラックスできるサニタリー空間。「広い方が椅子も置きやすく、座って身支度することも可能」と河崎さん

 朝は家族全員が時間に追われていて、洗面台の奪い合いになることも。「洗濯機を洗濯専用室などに置き、洗面室だけ独立させることで広さを確保できる上に、生活感が出なくなり、リラックスできる場に」と服部さん。

 洗面ボウルの横に十分な広さの台があるのも特徴的です。河崎さんによると「複数人で洗面台を使う場合、洗面ボウルを2つ設置するのも便利ですが、洗面ボウルを使う時間は意外と短いので、ボウルが1つで台が広いのもおすすめ。コストも下げることができる」そう。

 さらに、コンパクトな天井カセットエアコンを設置すれば、冷暖房完備の心地よい空間に。「お風呂場に隣接している洗面室はどうしても熱気や湿気がこもりがち。小さい空間に納まるエアコンがあれば、身支度も心地よくできます。髪の毛も乾きやすいので時短にもおすすめです」(河崎さん)

天井にあるのが、小空間エアコン「ココタス」。埋め込み型なので、サニタリーはもちろん書斎や趣味の部屋など、小さい空間に設置してもすっきり
天井にあるのが、小空間エアコン「ココタス」。埋め込み型なので、サニタリーはもちろん書斎や趣味の部屋など、小さい空間に設置してもすっきり

「みんなで家事」ができれば、家族で楽しめる時間が生まれる

リビングの窓辺にある「まどべベンチ」。段差をつけることで、腰かけにもテーブルにも早変わり。家族が思い思いに過ごせる
リビングの窓辺にある「まどべベンチ」。段差をつけることで、腰かけにもテーブルにも早変わり。家族が思い思いに過ごせる

 毎日忙しい共働き家族だからこそ、家事が効率化されれば時間がうまれ、家族で楽しめる時間も増えるようになります。河崎さんは「家事もくつろぎの時間も家族みんなで楽しめるのが理想」と話します。

 「子どもが大きくなるにつれて、家族と同じ空間にいながら思い思いのことができる“いどころ”があるといいでしょう。たとえば、リビングの窓辺に腰かけがあればが“いどころ”が増え、家族がほどよい距離で一緒に過ごすことができます。家事も主婦1人で頑張るのではなく、また夫も子どもたちも協力するのではなく、一緒に楽しんでやってくれるようになることを願っています」(河崎さん)

(取材・文/平野友紀子 撮影/森田靖)

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