【法則2】みんなで作業し、みんなで片づけられるキッチン&収納
次はキッチンです。まず目に入るのが、シンクとコンロを別々のカウンターに分けた「セパレートキッチン」です。作業台が広く、カウンター同士も充分なスペースがあるので、夫婦でキッチンに立っても使いやすそうです。
服部さんは、「調査によると、共働き世帯の約7割は、食事の準備や片付けのためにキッチンを家族が同時に使うことが『よくある』『たまにある』と回答しました。それならば、みんな同時に作業できるレイアウトにするのが得策」と話します。
しかも、2人で使う場合はもちろん、1人で使う場合もセパレートキッチンにした方が、作業時間が短縮されるのだとか。「実験をして観察したところ、時間がかかっているのは台の上を整理する時間」と河崎さん。「作業台が狭いと置きっ放しができないため、スムーズに調理することができません。セパレートキッチンのように右にも左にも前にも後ろにもスペースがあれば、どこかに置くことができます。夫婦のどちらかが散らかしっ放しでも、自分のスペースを確保できるのでイライラも減ります(笑)」
オープンキッチンの場合、散らかっていると気になりそうですが……。「ダイニングに面するカウンターに少し高さのある壁を設け手元を隠すことで、散らかっているけれど、片づける時間がないというストレスを軽減することができる」と服部さん。「リビング・ダイニングからは手元が隠れるので、調理台や流しのゴチャゴチャも見えません。片づけは後にしても気にならないので、家族揃って『いただきます』ができます」
そういえば、ダイニングからキッチンを眺めても冷蔵庫が見当たりません。キッチンに回り込んでみると、すぐ隣の囲いの中にありました。
「生活感の出る冷蔵庫やゴミ箱、普段使いの調理家電、食品ストックなど、置き場所が困る様々なものを隠せるのがキッチンクロークです。オープンな棚にすれば、家族が見てもどこにあるのかわかりやすく、すぐに使えるのがポイント」と服部さん。
河崎さんによると「たとえば、キッチンクロークなら、最近普及率が高いパン焼き器も、パン焼き器を置いた手前にパンを切れるスペースを設けることができスムーズです。また、冷蔵庫の上に棚をつければ、重箱や寿司桶、パーティー道具など普段使わない、軽くて大きいものを収納することができます。1畳ほどあればできる上に、そこまで費用もかからない」そう。
週末やインターネットなどでまとめ買いをすることが多い共働き世帯におすすめなのが、食料品や日用品をたっぷり収納できるキッチンバックヤードです。「勝手口に直結するようプランすれば、買い物から帰ってその場で収納することができます。分別ゴミ箱を備え付ければ、ゴミ出しもスムーズです」(服部さん)