大容量パントリーにはLD面積を削っても後悔しない便利さがある

 キッチンの次に注目したい場所がパントリーです。「共働き家庭に多いのがまとめ買いです。買い物の手間を省くために、水を1ダース単位で買ったり、日用品のストックを豊富に用意している家庭が多いのではないでしょうか。そうしたものを収納するパントリーは共働きにとって魅力的。舞台裏を充実させることは、日々ストレスなく過ごせるポイントの一つです。パントリーのスペースをしっかりと取ることでLDが狭くなるかもしれませんが、そのデメリットにまさる便利さがパントリーにはあるのです」

 今回紹介するパントリーには扉がありません。河崎さんによると、ペットがいる場合は扉が必須ですが、直射日光が当たらず、個室性のある作りが可能なら、扉はなくてもOKなのだそう。「パントリーに大切な要素は、どこに何があるか一目でわかるという“一覧性”です。扉がなければ、まさに行って見るだけですから、一覧性がより高まることになります」

扉のないパントリー。棚自体にも扉がないので、祖父母や手伝いの人が初めて見たとしてもパッと見ればわかる
扉のないパントリー。棚自体にも扉がないので、祖父母や手伝いの人が初めて見たとしてもパッと見ればわかる

最下段は箱買いの大物を直接収納 根菜は通気性あるカゴに

 「宅配で届いたり、買い出しをしてきたものを手間なく収納できることもパントリーの必要条件です」と河崎さん。「棚の最下段に床板をつけなければ、ダース単位で届いた水をそのまま押し込むことができます。通気性の良いカゴ収納があれば、根菜類をゴロゴロと入れるだけ。中身が見えるカゴ収納は、残量もすぐわかり便利ですよ」

棚板は奥行きを変えて食品、書類、文具、本を「重ねず」に収納

 ところでこのパントリー、向かい合った棚の奥行きが異なります。これは何か理由があるのでしょうか?

 「そうなんです。パントリーを使いやすくするには棚の奥行きを変えるのも大切なポイントです」と河崎さん。

 「まず、棚の奥行きが深すぎるのはNGです。物を入れてみて、手前に余裕があったら、そこにも何か置きたくなりませんか? すると奥に置いたものは忘れてしまうか出すのが面倒になってしまいます。それを防ぐには、前後に種類の違うものを重ねておかないことが鉄則。そのために、適切な奥行きが大切なのです」

食料品やワイン、箱買いした水などを置く場合は、奥行き40~42㎝がちょうどいい
食料品やワイン、箱買いした水などを置く場合は、奥行き40~42㎝がちょうどいい

A4の書類やファイルなら奥行き25㎝あればOK
A4の書類やファイルなら奥行き25㎝あればOK

文房具などの小物を置く棚は奥行き20cm程度が適切
文房具などの小物を置く棚は奥行き20cm程度が適切