ワークスペースとリビングは間仕切りでゆるく区別する

 こちらは、ビエナ4川崎展示場の3階部分にあるリビングです。快適そうなソファセットの前にあるのはグレーの間仕切りです。あれ、ワークスペースは?

 すると間仕切りの後ろから「ここで仕事ができるんですよ」と彌重さんの声がします。ぐるっと回り込むと、ありました! 黒を基調にしたモダンなワークスペースが。

 間仕切りに作り付けのデスクは奥行き約50㎝。ノートパソコンやタブレットを置いて資料を広げるには十分のサイズ。背面には奥行き約30cmの棚も設置されています。

リビングに隣接したグレーの間仕切りの裏が作業空間。リビングからは机が完全に隠れているので作業途中で机上がごちゃついていても気にならない。黒い棚は床から浮かせるように設置することで、床面の掃除をしやすく、見た目にも抜け感が出て洗練された印象になっている
リビングに隣接したグレーの間仕切りの裏が作業空間。リビングからは机が完全に隠れているので作業途中で机上がごちゃついていても気にならない。黒い棚は床から浮かせるように設置することで、床面の掃除をしやすく、見た目にも抜け感が出て洗練された印象になっている

 「在宅ワークでも、ネット会議などで打ち合わせが必要になることはあるでしょう。そんなときに背景がごちゃごちゃしていて生活感がたっぷりだと、『ネット会議はちょっと』とちゅうちょするかもしれませんね。でも、こんな棚があれば収納がすっきりするので、背景にしても大丈夫ですね」と河崎さんは話します。

 仕事専用にできる作業机と収納棚、リビングの気配を感じつつも仕事に集中できる空間。仕事の内容にもよりますが、まさに理想のワークスペース提案の一つといえるでしょう。「必要な広さは1~2畳ですので、リビングを計画するときに取り入れてみるといいですね」と河崎さん。

在宅ワークではパソコンやタブレット、テーブルライトなど、電子機器や電気器具が必要になる。「作業机の周りのコンセントの口数は多めに計画しておくほうがいいです」と彌重さん
在宅ワークではパソコンやタブレット、テーブルライトなど、電子機器や電気器具が必要になる。「作業机の周りのコンセントの口数は多めに計画しておくほうがいいです」と彌重さん

「仕事の道具や資料は生活の物とは区別し、子どもの手が触れないところに保管したいもの。ぜひ専用の収納を用意したい」と河崎さん
「仕事の道具や資料は生活の物とは区別し、子どもの手が触れないところに保管したいもの。ぜひ専用の収納を用意したい」と河崎さん

 ワークスペースの隣には、防音のシアタールームもあります。「 “防音”という特徴を生かして、集中したいときにこの中で仕事をしたり、家族がリビングにいるときに、仕事の電話をするのに便利です」と、意外な使い方を彌重さんが教えてくれました。

シアタールームで過ごす趣味の時間は家族だんらんやいやしになる一方、静かに集中して仕事をしたいときや電話をしたいときにも役立つ
シアタールームで過ごす趣味の時間は家族だんらんやいやしになる一方、静かに集中して仕事をしたいときや電話をしたいときにも役立つ

 広さによってはリビングに間仕切りを設置するスペースが取れない場合もあります。「そのような場合は、壁面にカウンターを設置して、カフェ風のワークスペースにするという方法もあります。作り付けにせず、奥行きの浅いデスクを置いてもいいですよ」(河崎さん)。専用のワークスペースは意外と手軽に作れそうです。

広いスペースが取れない場合は、小さなカウンターでもOK
広いスペースが取れない場合は、小さなカウンターでもOK