約5割の人が将来自宅で仕事をしたいと考えている

 調査には自宅で仕事をすることについての質問項目もありました。今話題の在宅ワークについて、働く人たちはどのように考えているのでしょうか。「将来、自宅で仕事をすることを希望している人は約5割もいました。その利点としては、男女ともに「自由な時間やタイミングで仕事ができること」が1位。女性では、男性に比べて「家事と両立しやすい」「子育てや介護をしながら仕事ができる」といった、ワークとライフの両立がしやすい点が多くなっています」。

自宅で仕事をする利点(5つまで、単位%)
自宅で仕事をする利点(5つまで、単位%)

 在宅ワークの実現は、理想のワークライフバランスを実現するために大きな役割を果たしそうです。ところで、在宅ワークをする場合、最も気になるのが、どこで仕事をするかです。調査によると、現在自宅で仕事をしている人の仕事場は約4割がリビングで最も多いものの、将来自宅で仕事をしたい人が希望する仕事場では、リビングは2位となり、「仕事専用の部屋・スペース(自分専用)」が1位となりました。「仕事専用のスペースが欲しいと思っている人は多いですが、実際にはニーズが満たされていないようです」と彌重さんは分析します。

現在、自宅で仕事をしている人の仕事場と将来、自宅で仕事をしたい人が希望する仕事場(いくつでも/上位5位を抜粋、単位%) 
現在、自宅で仕事をしている人の仕事場と将来、自宅で仕事をしたい人が希望する仕事場(いくつでも/上位5位を抜粋、単位%) 

 こうしたデータを見た河崎さんは、「生活の中で自由な時間やタイミングで仕事をしたい、家事と両立したい、子育てや介護をしながら仕事をしたい、という希望をかなえつつ、家で仕事をするなら、独立した個室よりも、リビングに隣接した場所にワークスペースを作るのが良いと思います」と話します。

 彌重さんも「調査では自分専用の部屋・スペースを希望する人が37.3%もいました。リビングの一角にカウンターを設けたり、一角を仕切ってワークスペースとすることで、仕事専用のスペースを作ることは可能です。リビングの近くなら、仕事をしながら、生活面にも目を配ることができるので、理想のワークライフバランスを実現することにもつながるのではないでしょうか」と、ワークスペースが仕事面だけでなく、生活面にも影響を与えると解説します。「また、家で仕事をする上で困っていることを聞いたところ、仕事専用の作業テーブルや収納が欲しいという声が挙がりました。家で仕事をするための住まいのニーズが、まだまだ満たされていないことがわかります」

「将来自宅で仕事をしたい人は5割」と調査結果を解説する彌重さん。河崎さんも「家づくりの際にはリビングまわりで在宅ワークができるように考慮しておくとよいです」とアドバイス
「将来自宅で仕事をしたい人は5割」と調査結果を解説する彌重さん。河崎さんも「家づくりの際にはリビングまわりで在宅ワークができるように考慮しておくとよいです」とアドバイス

 それでは、お二人と一緒にワークスペースのお手本を見ていきましょう。