日々の基本演習進行というのは、これまでの記事「勉強を見てやる時間がない親が今日からやること」や「受験勉強の「やる気」は勉強から生まれる」に書いたようなフォローのことです。これがなんといっても一番面倒なので。親の都合からいえば分担したいところですが、これは半端に分担すると混乱します。塾のカリキュラム、教材、これまでの学習状況、子どもとの駆け引き(笑)などが把握できていないと、何をどのくらいすべきかも判断つきにくいです。ひとりがメインになって担当し、どうしても不在の日は明示的に何をどうチェックしてほしいか具体的に頼むくらいにしないとやりにくいでしょう。

 個人面談や文化祭や説明会は、その日に都合がつかなければどうしようもないですから、とにかく行けるほうが行くしかないですね。でも、ふだんまったく受験フォローをしてない人がいきなり行っても、どんな視点で見ればいいのか、何を相談したらいいのかわからないので「子どものお使い」になってしまいます。

 こうして考えてみると、中学受験に関して夫婦でスムーズな分担ができるためには、いろいろと条件が揃わないと難しいことがわかってきます。

受験について夫婦間の「大筋の合意」が大前提

 まずは、中学受験について夫婦が大筋のところ合意していないと話になりません。中学受験をするべきかどうか、そこからずれていると協力どころではありませんし、するにしてもその方針が、どんな中学生活を目指すのか、子どもの通塾生活としてはどのくらいまでを許容するのかが大きく食い違うと大変です。

 そしてもちろん、夫婦ともがそれなりに時間が取れる(あるいは融通が利く)働き方をしていないと上記のような分担はできません。

 実際、またろう・こじろうの受験が終わったところで、夫がものすごく長時間な仕事形態にシフトしてしまったため、はなひめが中学受験を始めるころにはほとんど勉強の中身を見たりすることはなくなっていました。

 中学受験の入り口から偏ってしまったため、もうはなひめは母のやり方に慣れて、稀に父が口や手を出そうとしても反発するようになってしまいました(そういう年頃ってこともありますが)。そうすると、今度は夫が私のやり方が気に入らないというか、やりすぎだ、べったりしすぎだというふうに気になってくる、そして私が反発するといった流れで、どうも険悪な、冷たい風が吹きすぎていくような時期もありました。

 そんな面倒なことは避けたい、もう始めっから分担しないで「お父さんはお金出すだけ」に徹してもらったらと考える人もいるかもしれませんし、実際、それでうまくいくこともあるとは思うのですが。

…それってすごくもったいないです…それに往々にして非常に無理があります。