「子どもが滑り台の上から転倒して頭を打った」「蜂に刺されてひどく腫れ始めた」「39度以上の熱でぐったりし始めた」……。子どもの事故や病気は突然やってくるもの。かかりつけ医や近くのクリニックが開いていない曜日や時間帯に不安になり、救急外来を受診するかどうか、悩む人は多いのではないでしょうか。

 ある日、5歳の次男が、雨の後に走って滑って頭を打ったことがありました。その後、自分が言ったことを数十分後に覚えていなかったり、頭を少し痛がったりしていました。

 すぐに「知ろう小児医療 守ろう子ども達」の会の講座で配布している「小児救急 こんなときはどうするの?」の「頭を打ったとき」のページをめくりました。

 すぐに救急へ行くべき症状は、

○意識がない
○けいれんを起こしている
○鼻や耳から出血している

 と書かれていました。これは、息子の症状とすべてあてはまりません。

 「名前や日にちが言えないようだと心配」と以前講座で聞いたので、自分の名前と保育園のクラス名やお友達のお名前などを確認しましたが、これも問題ありませんでした。

 念のため、「こどもの救急サイト」を確認。家で様子を見ていて大丈夫だと結果が出たので、「吐いたら連れて行こう」と思い、その夜はそのまま様子を見ました。

 翌日、脳外科へ行き、CTを撮りました。異常はありませんでしたが、二日間は安静にしているように、そして目を離さぬようにと言われ、また「1日に5~6回吐くようだったらすぐに連れてきて」との診断でした。わが家にとって、これが初めての外科受診になりました。

経験値を高めて心配を減らす。受診を迷ったときに役立つサイトも参考に

 子どもに起きることは、親の予想を超えることばかり。一つ一つの病気や事故の対処が親にとって初めて、というケースも多いでしょう。

 とにかく、パパやママが心配で眠れない状態で、朝を迎えないでほしいと思います。心配だったら受診をする。医師には「このくらいで来て…」と怒られることもあるかもしれません。でも、それも経験です。「ああ、このくらいだったら家で様子を見てもいいんだな」と経験値が高まる。次に繋げることができ、心配を減らしていくことができます。

 また、救急外来に行かなくても、事前に学習しておいたり、いろいろなツールを使ったりすることで、心配は減らすこともできます。

 今回は、その心配を減らすことができる、頼りになるツールを紹介します。