子どもがまだ小さいと「出かけると途中で疲れて動かなくなるから、子どもだけでは到底無理だろう」などと心配してしまう親もいます。でも、案外、子どもは親と一緒のときより一人で行動するときの方がしっかりしているものです。

 特に宿泊込みのツアーでは、生活面で著しい成長が見られます。学校で運動や勉強をクラスメートと競うように、生活面を周りの子と競い、自分もちゃんとやらなくてはいけないのだと思うようです。例えば脱いだ洋服をきちんと畳む子がいれば、それを見たうちの幾人かは、自分もまねするものです。家に帰れば元通りに戻ることのほうが多いですが、それでも「自分もできる」という気持ちが子どもの心に残ります。

大事なのはお出かけ後のフォロー。やったことや楽しかったことを存分に聞く

 親抜きのお出かけで一番大事なのは、帰ってきた後に親が話を思う存分聞いてあげることです。子どものツアーの場合、親と情報を共有するため、主催者側がネット上に細かい行程や体験メニューの詳細をアップするケースもあります。でも、それを見たとしても、子どもの前では知っているそぶりを見せてはいけません。ある程度、ツアーの行程を頭に入れたうえで、子どもの発言に応じて、どんどん話題を引き出すようにしたいものです。

 引率舎によると、「普段学校の話はまったくしないのに、ツアーから帰った後はツアーで何をしたか、どんなに楽しかったかを寝るまでずっとしゃべりっぱなしでした」という親側の感想もあったそうです。

 学校でも林間学校など、子どもの宿泊旅行はありますが、学校という世界とはまたひと味違ったツアーで、今までにない驚きや喜びがあったのでしょう。宿泊込みにしても、日帰りにしても、とにかく思う存分、話を聞いてやりたいものです。

 3月はまだまだスキーシーズン。各種団体が子どもだけのスキーツアーを組んでいるので、調べてみるといいでしょう。スキーが得意ではない親にとって、子どもにスキーを経験させてやることができるという利点もあります。キャンプ経験のない場合も同様です。